サハシ特殊鋼 紙おむつ再資源化に道筋
2026年02月26日 (木曜日)
特殊鋼材販売や機械加工・プラント事業などを手掛けるサハシ特殊鋼(名古屋市港区)はこのほど、刈谷記念病院(愛知県刈谷市)で使用済み紙おむつのマテリアルリサイクルに向けた実証実験を行った。愛知県環境局が推進する環境イノベーショーン創出・実装のための核心的プロジェクトに採択されたことを受けたもの。シキボウも消臭技術の向上や確立に向けて協業した。
実証実験では使用済み紙おむつの粉砕時に発生する摩擦熱を用いて乾燥させる摩擦粉砕乾燥機の安定性・操作性の向上を図ることを目的とした。使用済み紙おむつから発生する臭気を消臭する技術の有効性を検証することも目的として定められた。
実験は昨年11月からおよそ3カ月間にわたり行われた。刈谷記念病院の敷地内に摩擦粉砕乾燥機「DRY―E」を設置し、1日に排出される約150㌔の使用済み紙おむつを摩擦乾燥した。使用済み紙おむつは摩擦乾燥と同時に粉砕されて粉状に変化する。粉砕された粉はポリプロピレン樹脂などと複合してペレットになり、プラスチック製品として再生が可能となる。
使用済み紙おむつに含まれる、排せつ物などの臭気を消臭する技術はシキボウの「デオマジック」を利用する。デオマジックは香水のメカニズムを応用した消臭技術で、不快な臭いに“香り成分”を組み合わせて芳香に変化させる。
数年前の環境をテーマにした展示会でシキボウとの関係が生まれ、そこから技術面での協業が進んだ。今回の実験ではデオマジックにクエン酸を配合して実証が進められた。今後も配合率などの最適化を目指す。
紙おむつは水分を含むポリマーが配合されている影響で、自治体によって焼却処分に多量の燃料が必要だとされる。そのため、処分方法が難しいといった現実的な問題が生じる。今回の実証実験で再資源化への道筋が立証されれば、乾燥物が原料として再生される可能性をもたらすことが期待できる。
サハシ特殊鋼の佐橋拓弥取締役は実証実験について「多くの方々の協力をいただき、機械は安定稼働した。臭いや騒音へのクレームもなく無事完了できた」とした。今後は「出口製品の開発に注力することで、使用済み紙おむつリサイクルが世の中に普及していく」ことを目指す。





