ごえんぼう

2026年02月27日 (金曜日)

 小欄を担当してから本選びの視点が変わった。「読みたい」より「(小欄に)使えるか」が先に立つ▼『忙しさ幻想』もそうして選んだ。著者の豊留菜瑞さんは、自身の体験や膨大な読書、科学的データから、「忙しさとは、心の感じ方であり、幻想」と説く。仕事術やタイパ(タイムパフォーマンス)の話ではない▼例えば過密スケジュール。多くの人が旅行なら楽しいと感じ、仕事だと忙しいと嘆く。その違いは「やりたいこと」か「やるべきこと」か。「やるべきこと=自分で選んでいない時間が増えていく感覚」が忙しさを生むと指摘する▼若者はこれを敏感に察知しているようだ。タイパ至上で疲弊した心の負担軽減を優先する「メンパ(メンタルパフォーマンス)」、人工知能(AI)などを使い脳のリソースを人生の満足度を高めることに割く「脳パ(脳パフォーマンス)」がはやる。心のありように気付けば“幻想”は晴れるだろう。