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「VIATT2026」開幕/日系、ベトナム内販で攻勢/地場高級ブランドに照準

2026年02月27日 (金曜日)

 【ホーチミン26日=岩下祐一】繊維総合見本市「ベトナム国際アパレル・繊維・繊維関連技術見本市」(VIATT2026)が26日、ホーチミン市のサイゴン展示・コンベンションセンター(SECC)で開幕した。日系有力各社が顔をそろえ、成長するベトナム内販市場の開拓に向け、高機能素材やストックサービス、製品を訴求している。会期は28日まで。

 3回目となる今回は、前回を上回る1万8千平方メートルの展示スペースに、20カ国・地域から約460社が出展した。国・地域パビリオンは日本、韓国、中国、台湾、インド、欧州に加え、新たにドイツとトルコが加わり、国際色を一段と強めている。

 日系企業は、スタイレム瀧定大阪、瀧定名古屋、サンウェル、ヤギ、豊島、田村駒、MNインターファッション、クラボウ、シキボウ、東洋紡せんい、島田商事、柴屋など約20社が出展。これまでの輸出向け縫製拠点としてのベトナムから、地場ブランドの台頭による内販市場へとターゲットをシフトさせる各社の動きが鮮明だ。

 瀧定名古屋は、日本や中国で生産する合繊・天然素材の生地のストックサービスを訴求し、現地の高級ブランドとの取り組み深耕を図る。サンウェルは日本製の付加価値素材を軸に、日本、中国、タイのグループ拠点が連携した備蓄体制をアピールする。

 豊島はベトナム、インドネシア、中国で生産する生地を出展。中でもベトナムのパイナップル素材使いのベトナム製生地の訴求に注力する。ヤギは、日本本社と現地法人の共同ブースで地場企業に加え、第三国の大手ブランドと製品や生地での商談の機会を探る。

 今回新設された「ライフスタイル・トレンドフォーラム」は、フランスのトレンド予測機関ネリー・ロディが監修。「クラフツマンシップ」をテーマに、27春夏のライフスタイルに合わせた素材提案を行う。同フォーラムは地場ブランド関係者を引き付け、来場を促す狙いがあり、内販を狙う日系出展者の商機拡大に寄与することが期待される。

 主催者による有力バイヤーの招へいも商談を後押しする。ベトナムでは所得向上を受け、高級地場ブランドが登場しており、日系企業の有力なターゲットとなっている。招かれた高級メンズ「ジョバンニ」は、日本製の希少な織物を求めている。地場縫製大手の自社ブランド「MAY10」は今回展で、豊富な選択肢を提案できるサプライヤーを探す。

 高度なクリエーティビティーを求める地場ブランドは、日系企業の素材開発力と短納期対応を高く評価する。ジョバンニの幹部は「日本製は品質が高く、富裕層の信頼も厚い。ストーリーを重視する顧客にとって、日本製であることは大きな付加価値だ」と話す。

 今回展を通じ、日系出展者のベトナム内販ビジネスの本格化が一段と進むことが期待される。