「VIATT2026」/日系生地商社、内販拡大へ/ストック機能や日本品訴求

2026年03月02日 (月曜日)

 【ホーチミン=岩下祐一】2月26日にベトナム・ホーチミンで開幕した繊維総合見本市「VIATT2026」で、日系生地商社はストックサービスや高付加価値な日本製生地を前面に打ち出している。経済成長に伴い拡大するベトナム内販市場へのアプローチが一段と鮮明になっている。

 スタイレム瀧定大阪は、インドの綿花農家のオーガニック農法への転換を支援する「オーガニックフィールド」の素材や、北陸産地などで生産する日本製スポーツ向け機能素材、さらにインドネシアの生産背景を活用した素材の3軸をアピール。強みである企画力と、在庫を抱えた即納体制を武器に、現地の新興ブランドへ切り込む。

 瀧定名古屋は、合繊使いの日本製ファッション生地と、スポーツテイストの機能素材を中心に出展した。意匠性の高いレース使いの織物や、セットアップ向け機能素材などが注目されている。ベトナム内販では、主要顧客の高級レディースに加え、新興ブランドの新規開拓を加速している。

 ヤギは、日本本社と中国・上海、イタリア・ミラノの各拠点と連携したグローバルネットワークを強調。糸、丸編み地、織物、最終製品までを網羅する全方位型の提案を打ち出した。各拠点との連携による機動力と、企画・トレンド発信力を融合させ、地場顧客の新規開拓を強めている。

 サンウェルは、日本製の付加価値素材を前面に押し出し、高感度なイメージを訴求。日本や上海などで展開するストックサービスを強みとして打ち出す。素材はレディースを中心に、スポーツ、メンズシャツ地まで幅広くそろえた。機能性を持つ綿タッチ素材や天然繊維などが引き合いを受けている。現在は日本からの出張ベースで営業活動を行っているが、市場のポテンシャルを評価しており、拠点新設を含めた体制強化を検討している。

〈ベトナム事務所を現法化/スタイレム瀧定大阪〉

 スタイレム瀧定大阪は、2月1日付でベトナム現地法人を設立した。内販市場の拡大への期待が高まる中、機動力を高める。

 同社はこれまで10年以上にわたり、駐在員事務所として縫製業務を通じた事業基盤を整えてきた。今回駐在員事務所を格上げする形で現地法人を設けた。

 新法人の戦略は2軸からなる。一つは製品事業の深化で、各国で生産する自社開発の生地と、現地の中高級ゾーン向け縫製背景を活用。従来の日本向けだけでなく、欧米などの第3国向け輸出や内販の拠点として、さらに機能を拡張する。

 もう一つは、生地内販の本格化だ。ベトナム国内の中高級ローカルブランドを対象に、売り込みを加速する。