ごえんぼう

2026年03月04日 (水曜日)

 本紙も入居している輸出繊維会館(大阪市中央区)が、老朽化のために取り壊される▼同館は1960年に竣工。繊維関連の輸出組合を一つの建物に集約するために建築され、建築家の村野藤吾氏が設計した。日本画家の堂本印象氏がデザインしたモザイクタイルが目を引く玄関ホールの壁や、曲線の手すりが印象的だ▼NHKの連続テレビ小説『べっぴんさん』(2016年10月~17年4月)のロケ地としても使用され、その撮影を見学したこともある。ドラマも、子供服ブランド「ファミリア」の創業者の一人である坂野惇子氏がモデル。繊維と関わりが深かった▼富岡製糸場(群馬県富岡市)のオーナーを1939年から2005年まで務めた片倉工業は、1987年の富岡製糸場操業停止後も「売らない・貸さない・壊さない」の信条の下、良好な状態を維持して、世界遺産登録へつなげた。対照的な結末に、残念な思いがある。