小塚毛織 シャトルのモノ作り復権へ
2026年03月04日 (水曜日)
紳士服地製造卸の小塚毛織(愛知県一宮市)は来期(2027年3月期)、スタイレム瀧定大阪と設立した合弁会社、カナーレジャパン(同)の生地提案を本格化する。シャトル織機による天然繊維を軸としたモノ作りを訴求し高級ゾーンを狙う。
カナーレジャパンは昨年7月から事業をスタートした。尾州内でシャトル織機によるモノ作りを継続していくことが設立の狙い。同織機を9台保有しており、会社の主な機能は生地の企画と生産だ。販売は小塚毛織とスタイレム瀧定大阪が手掛ける。
カナーレジャパンは小塚毛織と業務提携していたカナーレがルーツ。カナーレは尾州の匠である足立聖氏が社長を務め、ファンシーツイードを得意とする。そのため、カナーレジャパンでも同ツイードが主な生産品目で、「カナーレ」という生地ブランドを展開する。
半面、ファンシーツイードは華美な見た目や凹凸感などで顧客や用途が限られる。そこで、幅広い層を狙って立ち上げた生地ブランドが「エッセンス」だ。ストレート糸によるフラットな生地で、ウールや綿、シルクなどを使う。紳士、婦人問わず、スーツやコートのほか、カジュアル向けもそろえる。
小塚毛織は紳士向けのスーツ地を主力としており、フラットな生地が中心のエッセンスと親和性がある。両素材を並べて提案することも可能だ。新規のほか、既存先の高級ゾーンに訴求して、エッセンスの販売拡大を図る。カナーレジャパンの受注ベースでは4割がエッセンスを占める。
小塚毛織のスーツ地の販売は、原毛価格の急騰で顧客のウール離れが加速し、生地単価の下落を招いている。エッセンスなど、こだわったモノ作りによる高単価商品で打開を図る。同社の小塚康弘社長は「シャトルの良さを捉えながら、良質な原料を使った生地を訴求したい」と話す。
髙銀毛織の技術継承へ
小塚毛織は昨年12月に工場の稼働を止めた髙銀毛織(一宮市)の技術を継承する。髙銀毛織はブライダル向けの生地作りで独自技術を保有しており、将来的に小塚毛織が生産を担う計画。髙銀毛織に在籍していた職人が小塚毛織へ移籍したほか、保有するシャトル織機も移設する。





