転換期に挑む~メーカー系商社の現在地③/旭化成アドバンス
2026年03月06日 (金曜日)
海外への販売を重視
旭化成アドバンスの繊維本部は、2026年度(27年3月期)に向けて好調が続くスポーツ向け合繊テキスタイルやキュプラ繊維「ベンベルグ」裏地、さらには独自素材を活用した繊維資材の海外販売を重視した取り組みを進める。10月には帝人フロンティアとの経営統合が予定される中、今後も国内の委託生産先への発注を確保するために、これまで以上に拡販に努める戦略だ。
25年度はここまで売上高が前年同期比微増で推移するなど比較的堅調に推移している。一般衣料分野はアパレルメーカーが生産を絞り込んでいる関係で市況に勢いがないが、得意とするスポーツ・アウトドア分野は主力のナイロン織物を中心に好調が続いている。
旭化成から移管されたベンベルグ裏地も比較的堅調だった。裏地の国内需要は縮小傾向が続いているが、高級ゾーンを中心にベンベルグ裏地には底堅い需要がある。原糸の供給制限が解消したことで、商品ラインアップが回復したことも奏功した。
一方、繊維資材はやや苦戦した。ポリエステルスパンボンド不織布などは対米輸出のウエートが高いが、米国の関税政策の影響で一時的に荷動きが鈍った。コーヒーフィルターなど生活資材用途は回復傾向にあるが、ブラインドなどインテリア用途の回復が遅れている。
26年度も引き続き輸出を重視する。特に中国市場はスポーツ向けテキスタイルやベンベルグ裏地の引き合いが強いことから、得意とする欧米市場に加えて力を入れる。また、繊維資材も耐炎繊維「ラスタン」不織布や3次元立体編み物「フュージョン」、人工皮革「ディナミカ」など、独自性のある商材で海外市場の開拓に取り組む。
生産基盤の強化も欠かせない。特に衣料用テキスタイルは北陸産地での委託生産が同社の生命線だが、近年は人手不足といった影響から納期の長期化が課題となっている。このため取引先アパレルとの綿密な取り組みと、生産計画や加工工程の工夫で納期の短縮を進めており、現在はラミネート品でも2~2・5カ月の納期対応を可能にした。
さらに産地への積極的な投資も行う。24年に加工を委託する産地企業に新型ラミネート機を導入するなど成果が出ている。26年度もラミネート品の加工工程で新型の撥水(はっすい)加工機を導入し、細繊度品への対応力を強化するなど積極的な投資を継続する計画だ。
10月には帝人フロンティアとの経営統合が控える。統合のシナジーによって販売量をさらに伸ばすことが、最終的には産地への発注量拡大につながるというのが同社の考えだ。また、繊維資材分野でもポリエステルスパンボンド不織布や人工皮革で帝人フロンティアとの連携による新規商権開拓への期待が高まる。





