戦略再構築で反転攻勢/インドネシアの日系企業/自販や輸出が焦点に
2026年03月06日 (金曜日)
インドネシアに進出する日系企業が戦略の再構築を図っている。日本からのオーダーが減少基調にあるほか、米関税政策の影響などで行き場をなくした中国品の流入が価格競争を招いているためだ。2025年は業績を落としている企業もあり、26年は自販強化や輸出拡大で反転攻勢に出る。
(桃井直人)
ASEAN地域の中でも重要拠点の一つに数えられるインドネシア。経済は堅調に推移し、5%前後の成長率を維持している。政府は製造業による経済成長を目指す方針を打ち出しており、繊維も重要産業の一つに入る。日系企業によると繊維関連の国営企業設立も発表されている。
経済は堅調とされるが、厳しさも伝わる。内需が勢いを欠いているほか、中国品の流入によって価格に混乱が生じているようだ。日本からのオーダーも減少傾向が見られ、これまで順調だった日系企業の業績にも調整局面が見られる。各社は新たなビジネスの探索に入っている。
東レのインドネシアグループ全体の25年度第3四半期までの業績は、繊維は数量減を主因に前年同期の水準に届かなかった。同国内の一般繊維市場は、今後も数量回復が見込めないと予想。その中でポリエステル綿複合生地会社の事業構造改革と新規サプライチェーン構築によって収益の拡大を図る。
東洋紡のインドネシアグループは、おおむね堅調に推移するが、将来を見据えて自販を強化する。東洋紡インドネシア(TID)は、東洋紡マニュファクチャリング・インドネシア(TMI)の生地を現地企業に販売しているが、他の日系企業とも連携し、付加価値の高いモノ作りを行い、販売を増やしていく。
日清紡テキスタイルは、付加価値品生産の割合を高める。ニカワテキスタイルで渦流紡績機「ボルテックス」を2台増設し、付加価値糸の比率を現状の40%から26年度に60%へ高める。価格競争に巻き込まれない製品を作り、同国内や欧米市場の需要獲得を狙う。
東海染工のインドネシア法人、トーカイ・テクスプリント・インドネシア(TTI)は、現地生地問屋への販売が勢いを欠く中、米国や東南アジア市場向けの拡販を志向する。米国向けは西海岸の生地問屋やハワイに目を向け、東南アジアではバティックを軸にマレーシア向けを増やす。
米トランプ政権による新関税、中東情勢の悪化などで先行きの不透明感は強いまま。人件費の上昇によるコスト増などの課題も残る。ただ、米国との関係は良好で、履物や繊維製品の輸出も多い。関税率優遇などでインドネシア縫製品の競争力が高まっていく可能性もある。





