特集 学生服と環境教育(3)/環境教育最前線/未来へつなぐ学生服/昭和学園高等学校
2026年03月06日 (金曜日)
昭和学園高等学校(大分県日田市)は、普通科と専門学科を設け、約600人の生徒が学ぶ。「努力精進・明朗融和・感謝奉仕」の3綱領を基本に、「生きる力」を身につけた時代にふさわしい人材の育成を目指している。「昭和ドリームプロジェクト」と題した3年間の探究活動を通じて、広い視野と深い思考探求を養い、「ミライの社会」につなげる。学習では、環境をテーマとした学びに取り組む。
〈学科、コースを越えた学びも〉
1939年に日田家政女学校という名の女子高として設立された。改編や改称を経て、2002年に男女共学化へ。併せて昭和学園高等学校と名称を改めた。
共学化にあたり基本である「教育」に加え、共に育つ「共育」、競って育つ「競育」の三つの「きょういく」の調和の取れた学校づくりを目標に掲げた。
「特別進学コース」「キャリアデザイン進学コース」「キャリアデザイン総合コース」「製菓衛生師コース」のコースを持つ普通科と、「調理科」「福祉ホスピタリティ科」「看護学科」のコースを持つ専門学科を設けている。学科やコースを越えた学びの機会も提供しており、自己の礎を構築し社会の一員として生きる力を育む。
〈SDGsを“ジブンゴト”に〉
昭和学園では、「昭和ドリームプロジェクト」を立ち上げ、3年間の探究活動を行っている。日常でも、校内掲示などでSDGs(持続可能な開発目標)を“ジブンゴト”と考えていけるような取り組みを進めている。
修学旅行は、温暖化でスキーができなくなりつつある長野県から東京都へ行き先を変更。社会課題の現場を学ぶ学習旅行をこの昭和ドリームプロジェクトと連動する形に変更した。
週に一度、「どのような社会課題があるか」「課題が起こる本質的な要因とは」「どうすれば解決できるのか」について話し合う。修学旅行先で実際に企業を訪問して、これまで学生たちが重ねてきた話し合いの中で考案した社会課題の解決策をプレゼンテーションする。
魚形幸助校長は、「課題を解決するための思考プロセスを学ぶ機会になれば」と語る。4泊5日の修学旅行期間中だけではなく、事前の話し合いや企業へのプレゼン、その後のディスカッションを含めた、3年間に及ぶ長いスパンで連なる一つの学習を目指す。一連の学びを通じて「将来壁にぶつかったときに、あきらめずに行動する力を身に付けて欲しい」(魚形校長)と願う。
〈学生服にできること〉
「自分たちの学校の魅力を、自分たちの手で発信する」をコンセプトにした「みりょく発信」の統括である広報主任で、福祉ホスピタリティ課の日野浩太郎教諭は、「広報主任としてSDGsに貢献できることはないか」と常々考えていた。
そこで考案したのが、「SHOWA循環型制服リサイクルシステム」と題した学生服の「リユース・レンタル・トレード」の取り組みだ。卒業生から回収した学生服を、トンボが選別とクリーニングを担い、新たに入学する生徒や在校生へとつないでいく。
リユースは、新入生に学生服を無償で提供する取り組みだ。入学時に経済的に厳しい生徒を支援する狙いがある。レンタルは、何らかの理由で制服を失った生徒に貸し出す仕組み。3年前に起きた水害で家屋が浸水し、制服を着られなくなった生徒に貸し出した実績がある。トレードは、サイズが合わなくなった学生服を交換できる制度だ。学生服を買い直す必要がなく、資源の再利用に寄与する。
2022年から回収を始め、レンタルの実績があったほか、25年には10着程度トレードが行われた。新入生に提供するのは、26年春が初めてとなる。
企画段階では「有償にするべき」と言う声も上がったというが、トンボの協力のおかげもあって無償での活動となった。日野教諭は、「善意でもらった学生服を善意で渡す」取り組みにしたかったと語る。
現在の学生服は、創立80周年を迎えた19年に刷新した。これまでの伝統を継承しながら、これからの未来を切り開いていく、芯の通った生徒をイメージした。高等学校としては地域で初めてブレザーを導入した。ブレザーのテーマは「凛~未来へつなぐ~」と決めた。
SHOWA循環型制服リサイクルシステムのリユース・レンタル・トレードの取り組みで、学生服を未来につないでいく。





