転換期に挑む~メーカー系商社の現在地④/東洋紡せんい
2026年03月09日 (月曜日)
新体制で“稼ぐ力”一段と
東洋紡せんいは、2026年度(27年3月期)から組織体制を一部再編し、効率的な事業運営でさらなる収益力の強化に取り組む。東洋紡グループが目指す“稼ぐ力”を繊維分野で一段と発揮することが役割だ。
25年度は第3四半期(4~12月)まで営業利益は前年同期比倍増の勢いで推移しており、通期でもこの流れが継続する見通しとなっている。収益力回復の要因は、これまで実行してきた構造改革が成果を上げていることがある。例えば、苦戦が続いていたスポーツ事業も25年度は黒字浮上する見通しだ。国内縫製工場の集約や製品OEMを中心に低採算品を縮小するなどの成果が出ている。
また、スクール事業は流通在庫増加で調整局面となっているものの、輸出織物事業は中東民族衣装用織物の好調が続く。マテリアル事業はインナー向けが回復傾向となり、原糸販売も健闘した。東洋紡STCから工業材料事業と機能資材事業が今期から移管されたことも収益と業容の拡大に寄与した。
26年度も引き続き構造改革を進め、収益力の強化に取り組む。そのためにスポーツ事業部とユニフォーム事業部、工業材料事業部と機能資材事業部をそれぞれ統合し、既存のスクール事業部、輸出織物事業部、マテリアル事業部の5事業部制とする。
スポーツ事業部とユニフォーム事業部は、いずれもニット生地を中心としたテキスタイル販売に力を入れており、スポーツウエアや学校体育服など製品OEMも一定規模ある。このため両事業部を統合することで生地・縫製品ともに一体運営を進め、効率化と競争力を強化することが狙いだ。
一方、工業材料事業部と機能資材事業部はともに東洋紡をはじめ、社外から仕入れた商品の卸売りが一定数ある。同社は現在、中小受託取引適正化法(取適法)の適用会社となっており、代金の支払い期日が最長60日以内となる販売先企業も多い。このため単純な卸売りビジネスには競争力に限界があると判断した。そこで両事業部を統合することで事業運営を効率化し、独自の開発商材の提案と販売を拡大することで収益力の強化を目指す。
同社は4月1日付で長尾貴庸取締役が社長に昇格し、事業部組織も含めて新体制がスタートする。東洋紡グループが目指す“稼ぐ力”を繊維分野で実現するための改革が今後も続くことになる。





