ごえんぼう

2026年03月10日 (火曜日)

 『時計じかけのオレンジ』は、近未来のディストピアを描いた小説。発表は1962年で、71年に映画化された。先月、日本ではリバイバル上映が行われた▼映画は見なかったが、原作は以前に読んだ。主人公がナッドサット語という架空の言葉、いわゆる未来のティーンエイジャー言葉で語り、話が進む。この小説の魅力の一つと言える。ただ、所々にルビが振ってあるので少し読みづらい▼同小説を思い出したのは、闇バイトに巻き込まれる高校を描いた『みどりいせき』を読んだから。こちらも主人公の一人称で語られ、〈おけ諸々〉〈チキる〉などの若者言葉が出てくる。作品は面白く、「第37回三島由紀夫賞」を受賞した▼作者の大田ステファニー歓人さんは1995年生まれで、作品執筆時は20代だ。発想力や文章力に感心する。新しい文化やファッションは若い世代からの発信が多い。最近の若者には、いつの時代も期待ができる。