東レの長繊維事業 高付加価値糸へ転換
2026年03月10日 (火曜日)
東レの長繊維事業部は2026年度(27年3月期)に向けて、ポリエステル長繊維とナイロン長繊維ともに国内外での販売拡大を計画する。石川工場(石川県能美市)の設備改良も進み、差別化糸の増産体制が整った。
これにより同工場の稼働率も改善する見通しだ。「ターゲットを絞りながら、高付加価値糸への転換を進める」(村田圭資長繊維事業部長)ことになる。
25年度は輸入糸との競争激化など市況が思わしくない中で、生産量・販売量ともに前年度並みを確保するなど比較的健闘したもよう。ポリエステル長繊維、ナイロン長繊維ともに特殊糸は好調な販売が続いた。原糸販売だけでなくテキスタイル事業と連携することでグループ内への差別化糸供給なども含めた需要の掘り起こしを進めた。
市況が低迷する汎用(はんよう)糸は海外拠点での生産品を活用するなどグローバルオペレーションを強化した。例えばレッグ向けナイロン長繊維は、定番糸生産を石川工場から中国の東麗合成繊維〈南通〉(TFNL)に移すなどで競争力の回復に努めている。
26年度は「差別化糸の海外販売拡大なども含めて、攻めの姿勢で臨む」。高付加価値糸をラインアップする「トーレ・プレミアム・ゴーセン・セレクト」も立ち上げた。ポリエステル長繊維は綿調や麻調、ストレッチ糸など品種を拡大し、海外からの引き合いが多いことから、純輸出だけでなく東レのテキスタイル事業への原糸供給も含めて海外市場への投入を増やす。既に中国では備蓄販売を開始するなど体制を整備した。
工場稼働率の改善にも取り組む。特にナイロン長繊維は特殊糸の生産が中心の愛知工場(名古屋市西区)の生産スペースがタイトな一方で、汎用糸の生産が多い石川工場の稼働率が低下するという問題があった。このため石川工場の設備改造を進め、同工場での特殊糸生産能力を増強した。これにより4月からは稼働率が改善する見通しだ。
ナイロン長繊維も中国への輸出も含めて高付加価値糸を中心とした販売拡大に取り組む。





