バーマグ/POY生産システム刷新/自動化と省エネ両立
2026年03月10日 (火曜日)
ドイツの合繊用紡糸設備大手のバーマグは、部分配向糸(POY)の新しい紡糸コンセプト「POY2・0」を開発した。紡糸から巻き取りまでの工程を全面的に見直し、エネルギー効率の向上と操業の簡素化、自動化を進めたのが特徴。昨年10月にシンガポールで開かれた「ITMAアジア+CITME2025」で初公開し、世界各地の糸メーカーから関心を集めた。
同社エンジニアがプロセスチェーン全体を分析し、主要コンポーネントを最適化。生産効率と品質を高めながら、エネルギー消費や材料使用量を削減する設計とした。
中核技術の一つが新世代の「DIOスピンパック」。レオロジー(流動)特性を最適化し、より均一なフィラメント品質を実現した。構造のコンパクト化でフィルターサンドの使用量を従来比約3分の1削減し、部品重量も30%以上軽量化。紡糸ビームの設計改良により表面積を縮小し、最大10%の省エネも実現した。
冷却工程ではラジアルクエンチユニット「EvoQuench2・0」を採用。収束長の調整を容易にし、セットアップ時間短縮と廃棄材料削減につなげる。
巻き取り工程の新型機「WINGS POY2・0」には、同社初の自動ストリングアップ機能を搭載。糸掛け作業を自動化し、作業時間短縮とロス率低減を図る。巻き取り工程の人員削減にもつながり、熟練労働者不足への対応にも寄与する。
さらに「アクティブクイックリターン」により製品ごとのパラメーター調整を迅速化。ボビン形成の安定化や毛羽発生の抑制、糸端固定機構の改良などでプロセス信頼性も高めた。
POY2・0は同社のデジタルプラットフォーム「atmos.io」と連携し、ポリマーから最終糸までの工程データをリアルタイムで監視。品質パラメーターの異常を迅速に把握できる。生産ネットワークの可視化により、廃棄ロス削減や品質向上、収益性改善を支援する。
現在、パイロットプラントへの導入に向け、世界の糸メーカーから問い合わせが寄せられているという。





