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帝人フロンティア 熱は通さず光を通す

2026年03月11日 (水曜日)

 帝人フロンティアはこのほど、カーテン生地に求められる遮熱性と採光性を両立した異型断面ポリエステル繊維「ウムテック」を開発した。光の入射角をコントロールすることで、熱は通さず光を通すことに成功した。4月からカーテン向け原糸として販売を開始し、2027年度(28年3月期)までに1億円、30年度までに同5億円の売上高を計画する。

 近年、熱中症対策のニーズもあってカーテンには採光性だけでなく遮熱性や遮像性など複数の機能が求められている。帝人フロンティアはこれまで特殊ポリマーによるUVカット機能と四つ山断面によって程よい採光性と遮像性を持つレースカーテン向けポリエステル素材「ウェーブロン+」を販売してきたが、近赤外線を遮蔽(しゃへい)しないため遮熱性が課題だった。

 一方、一般的な遮熱カーテンは主にフルダル糸を使用するため近赤外線は遮蔽するものの、可視光線の透過度が低く、室内が暗くなるという課題がある。レースカーテン素材は、遮熱性と採光性の両立が困難とされてきた。

 これに対して帝人フロンティアは、繊維表面への太陽光の入射角が小さければ透過しやすく、大きければ反射するという光の反射・透過メカニズムに着目し、近赤外線を反射しながら可視光線を透過する機能原糸の開発に取り組み、ウムテックの開発に成功した。

 ウムテックは、独自のポリマーコントロール技術と原糸製造技術によってジグザグ形状の特殊異型断面の原糸で構成する。酸化チタンを使用せずに光の入射角をコントロールすることで、近赤外線を反射しながら可視光線は透過し、遮熱性と採光性を両立する。

 同社の調べでは、従来のフルダル糸使い遮熱性カーテンと同等の室内温度上昇抑制効果を確認している。また、程よい採光性を持ちながら、透過した可視光線は拡散するため、昼夜を問わず住宅内の人のシルエットや室内の様子が見えにくい遮像性も持つ。ポリマーに特殊な紫外線遮蔽剤を組み込んでいるため、UV遮蔽性もある。