縫製などへのシステム提案/ノウハウの“データ化”が鍵/脱・技能と技術伝承へ
2026年03月11日 (水曜日)
衣料品製造に関わるソフトウエアの高度化と、サプライチェーン内での活用拡大が進んでいる。パターン設計や縫製など各工程のデータを収集・蓄積し、誰が作業しても同じ結果を得られるようにする“脱・技能化”や、規格に基づいたデータ管理による“データによる技術伝承”を目指す取り組みが広がりつつある。
6、7日に大阪市内で開かれた縫製機器関連の総合見本市「ASM OSAKA」でも、こうした流れを反映したソフトウエアの提案が目立った。
ユカアンドアルファ(東京都渋谷区)は、アパレル向け三次元着装シミュレーションソフト「CLO」や縫製工程の分析システム「タスクフィット」など、生産工程に対応するシステムを幅広く提案した。
特にタスクフィットは、製品作りに必要な縫製工程を個別に抽出し、ソフト上で視覚的に配置することで、全工程に必要な時間や加工料金を算出できる。さらに稼働データを反映し、各縫製工への最適な作業分配を行うことで、効率的な生産体制の編成にもつなげる。
東レACS(同港区)も、CADシステム「クレアコンポⅡ」とアパレル向けデータ管理システム「サイフォーム」を実演展示した。クレアコンポⅡは専門学校の授業でも使われるなどシェアが高く、さまざまなCADデータ形式との互換性確保や多言語対応を重視する。
同社のパターンメーキングソフト「パターンマジックⅡ」、バーチャルフィッティングソフト「パターンマジックⅡ3D」などとの連動性も高めた。各データを基に縫製仕様書を所定の規格に落とし込んで作成・蓄積しておくことで、誰もが過去の製品作りを再現しやすい「製品企画の資産化」を進める。
サイフォームでは、この縫製仕様書を用いた生産管理に加え、最新版で人工知能(AI)の活用を拡大。手書きやPDF文書を取り込み、データとして反映できるなど柔軟性を高めた。
こうしたシステムの普及と活用を通じ、各製造現場のノウハウをいかにデータ化していくかが課題となる。高齢化が指摘される国内の縫製現場では、技能のデータ化と共有を急ぐ必要がありそうだ。





