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中国市場“二極化”の中で商機/「インターテキスタイル上海」開幕/日本企業 差別化と即納で訴求

2026年03月12日 (木曜日)

 世界最大級の服地と副資材の国際展「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2026春夏」が11日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開幕した。中国市場の二極化が進む中、「ジャパン・パビリオン」をはじめとする日系出展者は、独自の差別化素材や即納体制を訴求し、スポーツや高級ゾーンの深掘りを狙う。会期は13日まで。(岩下祐一)

 今回の総展示面積は19万平方メートルで、世界25カ国・地域から3千社を超えるサプライヤーが集結した。日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)が主催するジャパン・パビリオンには、春展としては過去最多だった昨年展より1社少ない28社が出展。赤堀産業、フライドプライドなど4社が初出展した。

 同パビリオン外でも東レ、帝人フロンティアの中国法人や、旭化成、瀧定名古屋、スタイレム瀧定大阪、ソアロンなどが単独ブースを構え、存在感を放っている。

 中国市場は、景気減速と不動産不況などに伴う消費マインドの冷え込みにより、厳しい局面を迎えている。市場環境の低迷が続く中、ブランドの好不調が鮮明に分かれる二極化が一段と加速している。

 ブランド各社は、売れ残りを最小限に抑えるための慎重な商品企画と、在庫圧縮にシフト。これにより、素材の発注ロットの極小化や、リードタイムのさらなる短縮要求が常態化している。特にファッション分野では商品サイクルの短期化が激しく、短納期対応はサプライヤー選別の絶対的条件となっている。

 その一方で高級ゾーンや、スポーツ・アウトドア分野における差別化需要は底堅い。汎用(はんよう)素材で価格競争に陥る地場素材メーカーに対し、品質や機能性、意匠性が強みの日本企業への信頼は厚い。中でもスポーツ・アウトドア分野は、依然として成長市場としての地位を維持しており、厳しい市況下における数少ない突破口だ。

 日系生地商社は今回展でも、備蓄機能を前面に訴求。サンウェルは日・中・タイの3拠点を柱とする備蓄品網を、双日ファッションも後染め・先染め・プリントの3本柱を1反から即納する供給体制を打ち出す。出展アイテムでは、現地でのリプロダクトが難しい日本品質と独自加工を追求。宇仁繊維のタンブラー加工を施した割繊サテンや、スタイレム瀧定大阪のビンテージ加工素材など差別化商品をそろえる。

 合繊メーカー各社は成長性の高いスポーツ、アウトドア分野へリソースを集中。東レの「ダーミザクス」や帝人フロンティアの「オクタ」など、独自ブランド素材により高級ゾーンの囲い込みを図る。夏の長期化などの異常気象と環境意識の高まりを受け、接触冷感や遮熱機能と、サステイナビリティーを融合した提案にも力を入れる。