豊島国際〈上海〉/地場スポーツ向けを拡大/25年度はほぼ前の期並み

2026年03月12日 (木曜日)

 【上海支局】豊島国際〈上海〉の2025年度業績は、売上高、利益ともにほぼ前の期並みとなった。一部の日本ブランド向け製品や欧米向け輸出の苦戦があったものの、伸長が続く地場スポーツ向け製品販売や、日本向けユニフォームの堅調さが全体を下支えした。26年度は、生地供給網の再構築による収益性の確保と、中国内販のさらなる深掘りに注力する。

 25年度の市場別内訳では、規模はまだ小さいながらも中国内販が前の期比約2割の増収を記録した。製品販売ではスポーツ分野が内販全体の8割を占めるまでに成長。従来の製品売りに加え、顧客ニーズに合わせて生地単体で供給するケースも増えている。

 日本向け輸出では、主力のファッション衣料が市場低迷の影響で落ち込んだが、好調なユニフォーム分野がそれを補い、全体では微増を維持した。「縫製の東南アジアシフトは進んでいるが、生産地としての中国の優位性は依然として揺るがない」(濱野貴志董事長)とみて、40人を超えるQCスタッフによる徹底した品質管理体制を一段と強化している。

 エリア別では、広州支店の進捗(しんちょく)が良好だ。昨年、事務所から分公司に格上げしたのを機に増員。現地に根差した営業活動を展開したことで顧客接点が増加し、地場メンズブランドを中心に成果を上げている。

 26年度は、より主導権を持ったモノ作りを目指し、デザイン・設計機能の強化を図る。その一環として、このほど正社員のパタンナーを採用した。スポーツウエアなどの複雑化する仕様に対し、自社で精度の高いパターンを作成することで、協力工場への的確な指示と生産スピードの向上につなげていく。

 今期の課題は、景気減速に伴う地場ブランドからのコスト削減要求への対応だ。利益率を確保するため、中国国内での素材開発をさらに強化する。不透明な市場環境の下、機動力と品質の高さを強みに、内販の拡大を一段と加速させる考えだ。