技術の眼/東レ/協同/住商モンブラン/ミドリ安全/キャンプ/笹田織物
2026年03月12日 (木曜日)
「技術の眼~NEW WAVE GENERATING TECHNOLOGY~」では将来的にニューウエーブを巻き起こし得る重要な技術にスポットを当て、紹介する。
〈東レ/新柔軟PPS樹脂開発〉
東レは、柔軟性に加え難燃性と高耐熱性を備えた新たなポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を開発した。三つの特性を同時に実現したPPS樹脂は世界初という。PFAS(有機フッ素化合物)フリーで、フッ素樹脂と比べてコスト面でも優位性を持つ。
独自の革新的微細構造制御技術「ナノアロイ」を活用し、エラストマーに代わる柔軟成分をPPSポリマー中に微分散させることで、従来の柔軟PPSでは難しかった難燃性、耐熱性、軽量性を高いレベルで両立した。
高温環境で使用される冷却配管や電装部材などへの採用を想定し、2026年1月から有償サンプルの提供を開始。26年度中の量産化を目指す。データセンターの拡大に伴い冷却・電装部材の高性能化ニーズが高まる中、PFAS規制を背景にフッ素樹脂代替材料としての活用が期待される。
〈協同/貼るだけで耐家庭洗濯100回〉
服飾資材製造卸の協同(岡山県倉敷市)は、貼るだけで家庭洗濯100回に耐えるマーク付け資材「ラクネ」を発売した。特殊なのりを採用し、離型紙から剥がして貼り付けた後、約10回こすり24時間経過させるだけで定着する。刺しゅうや捺染に伴う手間や制約を回避でき、学生服やユニフォームの別注対応を容易にする。
レピア織りで図案を表現する「レピア織りネームタイプ」、印刷で表現する「セレクトタイプ」「コスパタイプ」、反射材や面ファスナーを組み合わせた「機能性タイプ」などを用意。ポリエステル100%を推奨するが、ナイロンやポリエステル65%・綿35%素材にも対応。
既存マークの上から貼ることでロゴ変更にも対応可能。刺しゅうや捺染加工場の減少を背景に3年以上かけて開発した。加工コストや輸送費削減にもつながる。
〈住商モンブラン/動作性追求の「ラクモ」投入〉
サービスウエア製造卸の住商モンブラン(大阪市中央区)は、2026年シーズン向けにメディカルウエアの新シリーズ「RAKUMO」(ラクモ)を投入する。埼玉県立大学理学療法学科との共同研究を基に約3年かけて開発し、特許取得済みの機能性パターンにより肩甲骨周りの突っ張り感を軽減し、アームホールの向きを改善して動作性を高めた。
素材には軽量でストレッチ性を備えた「タスランストレッチトロ」など3種類を採用し、上着7型とパンツ1型を展開する。男女兼用モデルではMとLの間にMLサイズを設定したほか、胸元のテープで日勤・夜勤を識別できる特許仕様を採用。表裏で色が異なるリバーシブルスクラブも追加し、色分け管理やコスト削減に対応する。
メディカル分野を重点領域と位置付け、高付加価値品から値頃感商品まで品ぞろえを拡充する。
〈ミドリ安全/業界初の粉じん防爆EF〉
安全衛生用品メーカーのミドリ安全(東京都渋谷区)は、粉じん・ガス両防爆エリアに対応する電動ファン(EF)付きウエア用デバイス「クールファンEPライト」を開発し、4月末に発売する。粉じん防爆に対応したEFデバイスは業界初という。
ガス・ゾーン2と粉じん・ゾーン22に対応し、非点火防爆構造と容器による粉じん防爆構造を採用。構造規格はガス「Ex nR ⅡC T4 Gc」、粉じん「Ex tc ⅢC T135℃ Dc」。小麦粉や砂糖を扱う食品工場、アルミ粉などの金属加工現場など、これまでEFウエアが使用できなかった粉じん環境での暑熱対策を可能にする。
バッテリー重量は約380グラムと従来品の半分近くに軽量化し、最大風量も毎秒55リットルへ向上。既存の同社EFウエアに装着でき、防爆現場の熱中症対策需要の取り込みを狙う。
〈キャンプ/ノーブラで外出できる〉
ブラジャーなしで外出できるブラレスウエア「no―bu」(ノーブ)が注目を集めている。アパレル企業キャンプ(東京都渋谷区)が展開するDtoCブランドで、バスト部分にウレタン製パッドを縫い付けたTシャツなどを販売する。ゴムやワイヤーを使わない構造で締め付け感がなく、40~50代を中心に支持を集める。
榊原美歩CEOと鈴木愛子COOが2023年に起業し、フィンランド旅行でブラジャーに縛られない生活を見た経験をきっかけに開発した。クラウドファンディングサイト「マクアケ」で販売したところ1600万円以上を集めた。現在はTシャツのほかセーターやワンピースも展開し、価格はTシャツが1万円台前半。今夏は百貨店での期間限定店出店や海外展開も視野に入れる。
〈笹田織物/粗目織物+起毛で寝具〉
粗目織物製造の笹田織物(奈良県田原本町)は、粗目織物に起毛加工を施した新しい生地を開発した。柔らかな風合いが特徴で、寝具やベビー用品向けの販路開拓を進める。
生地は複数枚を重ねて縫い合わせた構造で、表面に起毛加工を施すことで、キルティング状の縫い目に囲まれた部分に繊細な円弧状の模様が浮かび上がる独特の表情を持つ。同社はこの素材を用いた枕やケットなどを総合見本市「東京インターナショナル・ギフト・ショー」に出展し、改めて提案を強化した。
自社製品への採用を進めるほか、製品OEMや差別化素材としての生地供給にも対応する方針。笹田昌孝社長は「粗目織物に起毛加工という発想は珍しい」と話している。





