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東レ スポーツ・衣料資材事業部/複合紡糸技術で幅出し/ストレッチの新タイプ投入

2026年03月13日 (金曜日)

 東レのスポーツ・衣料資材事業部は、複合紡糸技術「ナノデザイン」によって提案商材の幅を広げている。アウトドア用途で展開を開始した、ストレッチ素材「プライムフレックス」の新タイプの一つで、伸縮性の向上や白化軽減を実現した。同技術を含む原糸・原綿からの開発は強みであり、多様な商材を打ち出している。

 プライムフレックスは、PETと3GTのバイメタル構造のポリエステルやナイロンを使用した織・編み物。高いストレッチ性・キックバック性、軽量性などの特徴を持ち、耐久性にも優れている。幅広い用途に用いられ、スポーツ・衣料資材事業部の主力商品の一つに育っている。

 新開発の「プライムフレックス HIGH―DURA STRETCH VERSION」は、3GTを別のポリマーに置き換えるなど、新たな設計でストレッチ性を従来の約1・5倍に高めた。ナノデザインによって極薄の外殻層を持つ偏心芯鞘構造とし、糸割れによる白化現象を軽減する。

 ポリウレタン弾性繊維と比較すると、軽量性やハリ感、経時劣化しにくい(ロングライフ)といった点で優れている。より特徴が出やすいとする織物を中心に販売する。「今後、プライムフレックスは今回開発の新タイプに切り替わっていく可能性がある」とした。

 ナノデザインを駆使した新素材では、遮熱性や防透性、紫外線遮蔽(しゃへい)性などに優れる「ボディシェルEX」のナイロンタイプも開発した。ナイロン特有の接触冷感性やドレープ性が付与できる。ぬれ色抑制機能(汗染み軽減)を兼ね備え、ヨガウエアなどの用途を想定する。

 原糸・原綿から開発した素材では、黄変抑制ナイロン「澄白」の評価が高い。ポリマーに工夫を施したナイロンと特殊加工を組み合わせており、黄変発生の程度を評価するイエローイング試験では、20洗後で4級(通常ナイロン2級)を誇る。フルダルやギガダルの開発を含め、用途を広げる。

 ナイロンでは、抗菌素材の試作を進めている。後加工ではなく、練り込みによってポリマー(繊維)そのものに機能を付与する。黄色ブドウ球菌や肺炎かん菌などに高い抗菌活性値を示すという。インナーや資材(靴のインソールなど)に向けて2026年度にも市場に投入する。