繊維ニュース

クラボウのASEAN拠点/繊維のマザー工場に/独自商品で差別化推進

2026年03月17日 (火曜日)

 クラボウのASEAN拠点は、世界的に繊維市況が振るわない中で生産品種の高度化や多様化を進めている。クラボウの繊維事業におけるマザー工場としての役割が一段と大きくなった。

 タイの紡織子会社、タイ・クラボウの2025年度業績は、ほぼ計画通りに推移した。糸・生機・加工反の輸出はバーツ高の影響で苦戦したが、タイ内販の原糸・生機が堅調だった。一方、染色加工子会社のタイ・テキスタイル・ディベロップメント・アンド・フィニッシング(TTDF)は中国からの廉価品流入で競争が激化している。環境負荷低減への対応でコストが上昇している影響も大きい。

 引き続きタイ・クラボウとTTDFによる一貫生産体制を強みに、クラボウの繊維事業のマザー工場としての立ち位置を強める。タイ・クラボウは既存事業の収益性を向上させながら、新規取引の開拓、調達改革による利益率の改善、人材への積極投資と新商品開発を強化する。そのため各種国際認証も取得している。TTDFは独自性の高上で安定的な受注に努める。そのために研究開発を強化する。

 インドネシア紡績子会社のクマテックスは、工場移転が順調に進んでおり、26年度中に完了する予定。そうした中で25年度は欧米ブランド向けのセーター用原糸に勢いがないものの、SPA向けのインナー用原糸の受注が順調だった。移転中の取引先対応を徹底し、デリバリーなどに万全を期している。工場移転を契機に設備内容やレイアウトも見直し、より安定した品質の原糸供給体制を構築する。

 ベトナム子会社のクラボウ・ベトナム(KVC)は25年度も苦戦した。SPA向け生地販売が継続しているものの新規商品での採用が遅れている。ベトナム国内のアパレルや縫製工場への販売も伸び悩んだ。

 このため26年度はクラボウグループ各社や連携する伊藤忠商事との取り組みを通じてKVC独自のビジネス構築に取り組む。綿織物だけでなく合繊素材やニット生地・製品まで幅広い商材を扱うほか、クラボウグループ独自の差別化商材をベトナムで委託生産するなどさまざまなオペレーションが可能な点を強みとして打ち出す。