LIVING-BIZ vol.128(6)/AIと共存し新たなモノ作り

2026年03月17日 (火曜日)

 ホームテキスタイルとコントラクトテキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル2026」(メッセフランクフルト主催)が、1月13~16日にドイツのフランクフルトで開かれた。同見本市のトレンドや環境対応について、欧州を中心とするインテリアファッション関連のマーケティング・デザイン資料の企画出版、ティーエムプランニング(神戸市)に紹介してもらった。

〈AIと職人技を融合〉

 今回のトレンドテーマは、「Craft is a VERB」。直訳すると「工芸は、動詞」。Craftは名詞ですが、それが動詞というのは、少し分かりにくいかもしれません。

 伝統的な職人技や技術を継承しながら、人工知能(AI)と共存することで新しいものを作り出し、私たちの生活や社会に融合させていく。その進化を続ける形を“動詞”として表わしています。

 いまや一般の生活にも社会にもAIが入り込み、人々はそれを上手に活用して融合させて仕事をし、生活しています。それはインテリアやテキスタイルの世界でも同じです。

 AIとの共存は依存することではなく、人が退化することでもありません。一緒に進化していくことです。

〈AIによるトレンドカラー〉

 トレンドブースは、「Re:メディア」「目に見える共同作業」「自然を感じる」「遊び心のあるタッチ」「巧妙に作られた不規則性」「不気味の谷」という六つのマクロトレンドに導かれる形で、形成されています。

 それぞれのマクロトレンドのタイトルに沿った素材群がマテリアルサーバーフォームとして展示されました。これらのテキスタイルトレンドは美しい住環境に融合し、テキスタイルが私たちの居住空間のインテリアという概念の中心にあることを再認識させてくれます。

 トレンドカラーの二つの画面は、左が人が選んでピックアップした色。右はAIが選んだ色です。

 昨年に引き続きキュレーターを務めるAlcova氏が一つの試みとしてAIにトレンドのキュレーターを任せてみたらという中で、このトレンドカラーが出てきました。そしてその両方をトレンドカラーとして発表しています。

 カラーはスマートフォンの出現以来大きく影響を受け続け、今回AIがピックアップした明るく強い色にもそれが表れています。

〈アジア、中東圏勢に存在感〉

 主催者が発表したプレスリポートでは、今回の来場者は経営幹部の比率が78%と大幅に上昇し、戦略的調達の決定、市場調査、ネットワーキンクでのハイムテキスタイルの重要性が強調されました。

 国際企業の幹部が多数来場したことも、来場者の質の高さを反映しています。リピーターが68%に増加し、出展者と来場者の双方の満足度が一貫して高かったことから、ハイムテキスタイルは厳しい市場環境において、長期的なビジネス関係を築くための実績ある安定したプラットフォームとしての地位を確立したと記しています。世界的に不安定な市場環境の中で安定性と信頼性を象徴する存在の展示会となったと位置付けています。

 この数年で出展者は、アジア、中東圏が増加しています。そしてその中で変化は起こっています。小さなブースで派手なデコレーションもなく展示していたブースが大半でしたが、ブースのサイズが大きくなり、華やかなデコレーションを加えた出展企業が増えました。

 そのことは各社の成長を示すものでもあり、継続出展することで蓄えた力が大きくなってきたのだと、その実力を示していることが分かります。

〈日本のタオルも好評〉

 日本からの出展者で例を挙げると、タオル製造卸の内野が欧州最大級のインテリア・デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェパリ」の常連組でしたが、今年からハイムテキスタイルへの出展に切り替えました。

 内野のタオルは、欧州各都市の多くの百貨店で目にすることができるほど、メゾン・エ・オブジェを足掛かりに拡販してきましたが、新たな販路の模索もあり、ハイムテキスタイルを選択しました。

 欧州のタオルに比べ、ソフトで肌触りの良いタオルはハイムテキスタイルでも評価が高く、多くの来場者がブースを訪問していました。

 ハイムテキスタイルそのものの変化と、出展企業のパワーを感じる場となりました。

㈱ティーエムプランニング

Heimtextil2026 Report

代表取締役 三譯 俊樹氏

住所:神戸市西区伊川谷町前開366

電話:090・8889・4771

Eメール:t.m-trend@blue.ocn.ne.jp

ミラノ、パリ、ロンドンにもネットワークを持ち活動する