LIVING-BIZ vol.128(9)/植村縫工/ニトリHD/昭和西川/パラマウントベッドHD
2026年03月17日 (火曜日)
〈植村縫工/多針キルト製で差別化/BtoCにも力〉
業務用寝具製造などの植村縫工(奈良市)は、生産性の高い多針キルトマシンを生かし、病院向け寝具などの拡大を図る。BtoCにも力を入れる。
病院向け掛けふとんは、コンフォーターキルトマシン製が広く浸透している。かさのあるふっくらしたふとん作りに適しているが、生産性は高くなかった。
同社もコンフォーターキルトマシンで製造してきたが、多針キルトマシンに切り替えた。リードタイムが短く、縫製の工夫によってわたが片寄りにくく、かさばらないなどの利点がある。
コンフォーターキルトマシンの生産能力は1日80枚程度。これに対して多針キルトマシンは同約150枚。多針キルトマシンは素材がそろっていれば翌日から生産できるが、コンフォーターキルトマシンは前工程の準備に1週間程度かかるという。
さらに縫製関連機器メーカーのハシマ(岐阜市)の多針キルトマシンを数年前に2台導入した。針が備え付けられているバーは通常2列だが、導入機は3列あることで大サイズや曲線など複雑なキルティングができる点も強みに挙がる。多針キルティングを施した掛けふとんが、複数のリネン関連企業に採用されている。
主力の病院用途以外で、BtoC向け商品開発も進めており、帝人フロンティアの縦型不織布「V―Lap」を使った洗えるベッドパッドや、ダイトウボウの魚由来のコラーゲンペプチドを結合した機能糸「ユーモアフィル」を使用したベッドパッドの試作などを進める。
〈ニトリHD/新商品比率3割に向上/寝具など課題解決商品も〉
ニトリホールディングス(HD)は26春夏、新商品比率を約30%に高め、客数回復・増収を図る。商品開発強化へ組織改編し、似鳥昭雄会長兼CEOがニトリの会長兼社長兼商品本部長となり2度目のシーズン。「新商品比率の目標40%まであと10%。35%ぐらいになると店頭が変わったと感じてもらえ、来店客が増える」と見込む。
展示会では、ニトリの家具やホームファッションをはじめ、展示会初披露の婦人服「Nプラス」や島忠で取り扱うリラックスウエア「Nイージー」、サステイナブルの取り組みも紹介。3~6月発売予定の約3500アイテムから厳選した300アイテムを見せた。
9点で10万円以下のコーディネート家具「KPシリーズ」、一般医療機器届出済みながら手頃な価格(1490、1990円)のリカバリーウエア「Nミラク」、39万9900円の「AIマットレス」「スマートベッド」など、強みの価格訴求型から最先端技術による課題解決型まで多彩にそろえた。
AIマットレスは、約1万人の体格データを基に、AI(人工知能)が身長・体重・寝姿勢に合わせて、内蔵のエアスプリングを自動調整し、最適な体圧分散性を実現する。全身ストレッチのリラックスモード、腰や足元を温めるヒーターモードも搭載した。
スマートベッドは、精密部品製造大手のミネベアミツミと共同開発した。体動をセンサーが感知して快適な角度に自動調整する電動ベッドだ。2月に一部店舗で発売以来、堅調な売れ行きを見せる。
持ち帰りでき、配送効率向上・CO2削減にも寄与する圧縮梱包(こんぽう)ソファ(5万9990円)、マットレスにもなるウレタンソファ(1万4990円)、大半の窓の幅に合う伸縮バーチカルカーテン(幅160×丈200センチ3万4900円)、ドレープとレースを一体化したカーテン(100×135センチ2枚入り9990円)などもある。
〈技能グランプリ/寝具職種金賞に宮地氏/寝具技能士が技競う〉
全国から選抜された熟練技能者が技の日本一を競い合う「第33回技能グランプリ」(厚生労働省など主催)が2月27~3月2日、インテックス大阪で開かれた。寝具職種では、寝具専門店の寝装・寝具みやち(静岡県島田市)の宮地伸芳氏がトップの金賞に輝いた。宮地氏は厚生労働大臣賞も受賞した。
寝具職種には、寝具製作技能士1級を持つ9人が参加。掛けふとん90分、敷ふとん90分、円形座ぶとん60分、角座ぶとん40分の持ち時間で4種類の寝具製作を競った。用意したわた、生地を使って全ての工程を手作業で製作した。
出来上がったふとんは外観、わたの入れ方・仕上げ方、わたの入れ口を縫う口絎け(くちくけ)などの点から評価を受け、宮地氏が金賞を受賞した。
銀賞・銅賞は次の通り(敬称略)。〈銀賞〉土井章広(兵庫県)▽〈銅賞〉天野幹郎(静岡県)▽〈敢闘賞〉井川大輔(大阪府)
全国寝具技能士連合会では、2028年1月の寝具技能士の検定試験に向けて、受験者を募集している。問い合わせは、同会事務局(電話052・322・1785)。
〈昭和西川/リカバリーウエア発売/セラミックス練り込み糸採用〉
昭和西川はこのほど、リカバリーウエア「TOTONOU Body Care」(トトノウボディーケア)を発売した。セラミックス練り込み糸を使用。血行促進や疲労を回復する。
一般医療機器の家庭用遠赤外線血行促進用衣として届け出済み。
セラミックス練り込み糸を使用し、体から出る熱エネルギー(遠赤外線)を吸収して輻射(ふくしゃ)することで温かさを保つ。練り込みタイプのため、洗濯しても効果が持続する。組成はポリエステル80%・綿20%。
締め付けず寝返りしやすいようにゆとりを持ったパターンを採用するなど、「寝具メーカーが考えたリカバリーウエア」として打ち出す。
公式ネットストア、全国直営店で販売する。価格は2万2千円。
〈パラマウントベッドHD/TMKRと合併〉
信用交換所によると、パラマウントベッドホールディングス(HD)は、創業家の資産運用会社傘下のTMKR(東京都江東区)と合併することを決め、官報に公告した。存続会社は、TMKR。
パラマウントベッドHDは、2025年に実施したMBO(経営陣による買収)が成立し、東京証券取引所プライム市場への上場が2月5日で廃止された。上場廃止による迅速な意思決定で、ビジネスモデルを転換する先行投資や構造改革へつなげる考えを示す。
〈2月の寝具市場/チェーンストア1桁%減/気温上昇で冬物軟調〉
2月の寝具市場は、前年同月の売り上げを下回ったチェーンストアが目立った。冬物などが伸び悩んだ。
寝具製造卸によると、チェーンストアは前年同月比1桁%の減収だった。2月は元々、冬物のセールと春物導入の狭間になり、売り上げが少ない月だが、中旬以降の気温上昇などで前年以上に冬物が苦戦したチェーンストアもあった。
ニトリの2月の国内既存店売上高は前年同月比5.3%減、客数は5.7%減、客単価は0.4%増だった。「中旬以降は例年よりも高い平均気温で推移したことで、冬物商材が苦戦を強いられる結果となった」と要因を挙げた。
ファッションセンターしまむらの2月度(1月21日~2月20日)既存店売上高は、前年同月度比10.2%増、客数が10.6%増、客単価が横ばいだった。「婦人アウター衣料や肌着、靴下が売り上げを伸ばした」が、寝具関連は伸び悩んだ。





