第23回JYレビュー~付加価値やこだわりを紡ぐ糸~⑦

2026年03月18日 (水曜日)

モノ作り支える設備や加工

 糸だけでなく、最新鋭の設備や染色整理加工技術といった、国内のモノ作りを支える商材を見ることができるのも「ジャパン・ヤーン・フェア」(JY)の特徴の一つだ。多彩な業種が出展し強みを訴求した。

 TMT神津(兵庫県三田市)は化合繊用リワインダー「ワインディングマスター」を発信した。幅広い糸種に対応しており、ソフト巻きやラウンドショルダー巻きなど多彩な巻き取りを可能とする。1錘から導入できるのも特徴だ。同社によると、販売から6、7年経過したが年々広がりを見せているという。

 村田機械はデジタル技術を活用したサポート体制で顧客への伴走支援の仕組みを紹介した。

 製造管理支援システム「ムラテック・スマート・サポート」は機械や品質の異常を検知できるほか、ロット設定の履歴比較、データ収集の自動化などに貢献する。同社は「顧客の競争力を高めることにつながる」と話した。

 ほかにも、自動ワインダー「AIcone」(アイコン)や渦流紡績機「ボルテックス」などを紹介した。

 帝人テクロス(愛知県稲沢市)は顔料を使って色ムラなく仕上げられるチーズ染色を「他社にはない技術」として訴求した。

 繊維に特殊な下処理を施すことで、顔料が繊維に固着し滑落しにくくなる。そのため廃液はほぼ透明で環境負荷の低減につながる。ブースでは分散染料による廃液も用意し、その違いをアピールした。

 撚糸から糸染め、織布、編み立てまでの一貫生産体制も強みとしてPRした。

 岐センは合繊100%や合繊と天然繊維の複合品に向けた加工を提案した。合繊の加工を得意とする北陸産地とは異なる風合いで差別化を図った。ウールや合皮、シルキータッチの新加工をそろえた。

 そのうち、パウダー状の表面感を付与できる「ペスカーレ(仮)」は来場者から注目を集めた。機能加工や光沢加工との組み合わせも可能で、カジュアルからフォーマル向けまで幅広い用途で展開できる。

 木曽川染絨(岐阜県笠松町)は草木染めの生地ブランド「キソテキスタイル」を紹介した。起毛を施した編み地だけでなく、織物でも展示し用途拡大を狙った。同ブランドは綿や再生繊維、レーヨンなどが中心で、製品でも展開する。興味を持つ顧客は多いものの、価格や堅ろう度が今後の課題だ。

 さまざまな商材が一堂に会したJY。国内は高付加価値への流れが一段と加速しており、JYはそうしたモノ作りを支える展示商談会として今後も在り続ける。

(おわり)