タイ東レグループ “脱・中国”を商機に

2026年03月23日 (月曜日)

 タイ東レグループは、衣料用途と産業用途ともに市況低迷やバーツ高の影響が大きく、2025年度(26年3月期)は苦戦が続いた。このため26年度に向けて一段の構造改革を推進し、成長分野を拡大することで収益力の強化に取り組む。特に衣料用途は“脱・中国”の流れを商機とする。

 同グループは、合繊長繊維製造のタイ・トーレ・シンセティクス(TTS)や紡織加工のトーレ・テキスタイルズ〈タイランド〉(TTT)を中心とする。

 TTSの25年度業績は、タイ内販がポリエステル長繊維を中心とした衣料用途への安価な中国品の流入で苦戦。輸出もバーツ高の影響で減収となった。産業用途は、エアバッグ向けナイロン長繊維が上半期は堅調に推移し、年間でも目標販売数量を確保する見通しだ。ただ、エアバッグ原糸以外は自動車生産台数減少と漁網や日本向け一般資材用の需要低迷で数量が伸び悩んだ。

 TTTは、衣料用途で、短繊維織物が中東民族衣装用途も含めて流通在庫増加と中国品流入による競争激化などで需要が減退した。国内販売も制服向けが制服自由化方針の影響で販売量・売上高とも減少傾向だ。長繊維織・編み物は北米や日系アウトドアブランド向けが堅調だったが、SPA向けに勢いがなく、裏地の需要低迷、バーツ高の影響もあって減収となる見通しだ。

 エアバッグ基布はタイ国内需要が回復したものの、日欧系自動車メーカーの輸出を含めた販売が振るわないことで総販売量は前年度を下回るもよう。一方、コード用途は四輪車向けが低調ながら、二輪車向けはインドやインドネシア市場が堅調で前年実績を上回る。

 こうした中、26年度は衣料用途、産資用途ともに新商品・新規取引の拡大、価格転嫁・原料調達コスト削減徹底などで収益確保を目指す。

 衣料用途は、中国からASEAN地域に生産拠点を移管する流れが続いていることから、TTS、TTTと東レグループ各社が連携し、原糸からテキスタイル一貫型の商品開発によってSPAのサプライチェーンへの販売拡大を目指す。そのためにTTSは25年に導入した複合紡糸機を28年度にはさらに増設し、開発体制を拡充する。TTTは販売体制を市場・顧客別に変更し、ニーズに合わせた機能素材の開発・提案を推進する。ベトナムや南アジア市場へ差別化商材の供給拡大を進める。

 産資用途は、エアバッグでTTSとTTTともに東レ本体との連携によってハブ拠点として供給力・安定品質を生かしたグローバル供給をインド市場なども含めて拡大する。エアバッグ以外ではTTTがコード用途で二輪車向けに加えて電気自動車(EV)関連の新規需要獲得に取り組む。そのために東レ本体と連携し、生産体制の整備・拡充を進める。TTSはタイ国内での新規委託加工先を活用した原反販売を拡大する。将来的にはベトナムでの新規サプライチェーン構築も視野に入れる。