帝人フロンティア 機能中わたで攻勢

2026年03月25日 (水曜日)

 帝人フロンティアの短繊維素材本部は、2026年度(27年3月期)の重点戦略として特殊ポリエステル短繊維を中わた材として積極的に提案する。特に中空8フィン断面短繊維「オクタエアー」の提案に力を入れる。また、好調が続くポリエステルショートカットファイバー(短カットわた)は、タイ子会社での生産能力増強を決めた。

 堀田敏哉短繊維素材本部長によると、25年度のポリエステル短繊維販売は、紡績用途が調整局面となったもよう。ウール混紡向けが学生服の流通在庫調整の影響を大きく受けている。

 不織布用は生活資材用途に勢いがないが、自動車用途は堅調。また、膜支持体向け短カットわたも安定しており、生産拠点であるタイ子会社のテイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)で25年12月に予定していた生産能力増強の立ち上げを9月末に前倒しした。

 一方、寝装用は市況の低迷と需要減退が続いている。ただ、堀田本部長は「羽毛減少で代替素材として衣料用中わた用途も含めて合繊機能わたへの関心が高まっている」と指摘する。

 このため26年度は中わを重要用途の一つに挙げる。特に重点提案するのが中空8フィン断面短繊維のオクタエアー。通常のポリエステルだけではなく、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を複合することで高い保温性・かさ高性・軽量性を実現する。26年度中には量産ラインも稼働する予定だ。寝装だけでなく中わた衣料向けも含めて幅広く提案する。

 そのほか、縦型不織布をカーシートのワディング材用途に向けてウレタン代替のポリエステルクッション材として提案を強化する。自動車内装材のドイツ子会社、ジーグラーも縦型不織布の設備を導入したことから、日独二極で提案と供給を進める。

 短カットわたは需要家の増産を背景に需要拡大が続いている。このため、新たにタイ子会社のテイジン〈タイランド〉(TJT)での生産も決めた。28年の初めごろの設備立ち上げを計画しており、生産能力は約10%増加する。

 また、TPLはユニチカのタイ子会社であるタスコからの事業譲受でポリエステルスパンボンド不織布事業に参入した。既存取引先への安定供給に努めながら、新規用途開拓やASEAN市場の開拓を進める。