特集メディカル・介護ウエア(4)/探訪 ユニフォーム刷新の現場から/舞浜倶楽部・新浦安フォーラム/高いホスピタリティーを胸に
2026年03月25日 (水曜日)
舞浜倶楽部(千葉県浦安市)が運営する介護付き有料老人ホームは、開設20周年という大きな節目を機に、スタッフユニフォームの全面リニューアルに取り組んだ。長年親しまれた水色から、温かみと活力にあふれるオレンジ色の高機能ユニフォームへ一新。入居者になじみ深いブランド「アーノルドパーマー」も好評のようだ。
〈上質で洗練された空間〉
舞浜倶楽部は、04年に介護付き有料老人ホーム「富士見サンヴァーロ」(千葉県浦安市)、09年に同「新浦安フォーラム」(同)を開設して以来、地域に根差した質の高い介護サービスを提供し続けている。現在は有料老人ホーム2施設と在宅介護部門3施設の計5事業所を展開する。
同社の最大の特徴は、本場スウェーデンのケア手法をいち早く導入している点にある。入居者一人一人の個性やこれまでの人生の歴史を深く理解し、尊重する「パーソン・センタード・ケア」を実践。画一的なスケジュール管理ではなく、その人らしい生活が継続できるよう、きめ細やかなサポートを行っている。スウェーデン発祥のタッチケア「タクティールケア」を導入するなど、認知症の緩和ケアにも並々ならぬ力を注いでいる。
施設内は、まるで高級ホテルのような上質で洗練された空間が広がり、入居者が心穏やかに過ごせる環境が整えられている。下舘エイ子施設長をはじめとする専門スタッフたちは、常に高いホスピタリティーを胸に日々の業務に当たる。
高品質なサービスと高級感ある環境を提供する同社にとって、スタッフが身にまとうユニフォームは、単なる作業着ではない。施設の理念やブランド価値を体現し、入居者やその家族に安心感と信頼感を与える非常に重要なアイテムとして位置付けている。
〈現場の声を選定に反映〉
舞浜倶楽部の旧ユニフォームは水色のポロシャツを着用していた。しかし、同じ地域の他事業所でも似た色が採用されるようになり独自性が薄れたこと、さらに施設開設20周年の節目を迎えたことが重なり、心機一転を図るべくユニフォームの一新を決意した。
選定に当たっては、トップダウンで決定するのではなく、現場の意見を最大限に尊重するボトムアップのプロセスが採られた。
まずは23年夏に下舘施設長と全5事業所の代表者からなるプロジェクトチームを結成。協業するユニフォームメーカーを選定するため、2社によるプレゼンテーションを実施し、カンコービズウェアを選定している。
新しいユニフォームに求めたのは、高級感ある施設の雰囲気に見合った製品であることだった。カンコービズウェアからはこの目的に合った複数品の提案を受けた。
これまでの一般的なユニフォームから脱却し、ブランド価値を共有できるものを探す中、特に人気を集めたのが、入居者世代にも広く知られ親しみのある「アーノルドパーマー」ブランドの製品だった。それでも複数品を比較検討するため、カタログやサンプルを見るだけでなく、実際の介護現場で約1週間にわたる試着も実施した。
介護職は、移乗など立ったりしゃがんだりと激しく多様な動きが求められるため、見た目の良さだけでなく、着てみてどう動けるかが極めて重要になるからだ。試着期間中にはスタッフから詳細なアンケートを取り、着心地や伸縮性、速乾性といったリアルな声を丁寧に拾い上げた。結果、チーム全員の満場一致で選定されたのは、やはりアーノルドパーマーだった。
〈オレンジカラーの効果〉
新ユニフォームは24年4月から導入を開始。アイテムは、男女兼用のジャケットと半袖ポロシャツ、それに男女別のストレッチパンツ。カラーリングは、これまでの寒色系から一転し、目に優しく温かみのあるオレンジをメインカラーに据えた。この色は施設内に明るさをもたらし、着用するスタッフにも元気を与えている。襟元やパンツにはシックなネービーを配することで全体をスタイリッシュに引き締め、プロフェッショナルとしての信頼感を演出。襟裏にはさりげなくチェック柄があしらわれ、左胸にはアイコニックな傘のロゴが施されている。高級感とファッション性を見事に両立させることができた。
機能面においても劇的な改善が見られた。以前のパンツはしゃがんだ際に足元が突っ張るという課題があったが、新ウエアは高いストレッチ性を誇り、どのような動きをしても窮屈さを感じさせないという。また、移乗介助時など、汗をかく場面でも快適さを保つ吸汗速乾性も備え、現場の身体的負担を大きく軽減している。
導入後の反響は非常に大きく、入居者からは「雰囲気が明るくなったわね」「すてきな色ね」と声を掛けられることが増え、日々のコミュニケーションのきっかけになっている。
介護スタッフの熊澤大輝さんは「着心地がサラっとしていて心地良い。伸縮性も問題ない」と感想を語る。同じく新垣里沙さんも「オレンジカラーが明るく気に入っている。シワもつきにくくパンツのストレッチ性も動きやすい」と満足気だ。
ユニフォームは、施設のブランド価値を向上させるとともに、スタッフのエンゲージメントや誇りを高める重要な投資であることも認識させられた。





