「インターテキスタイル 上海 26春夏」レビュー(後)

2026年03月26日 (木曜日)

“高機能×サステ”で攻勢

 今回展では、日系各社がスポーツ・アウトドア向けの高機能素材を軸に攻勢を強めた。機能性とサステイナビリティーを融合させた提案が目立った。

 東レの中国法人で、長繊維生地を製造販売する東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)は、超軽量素材「エアータスティック」シリーズを前面に打ち出した。特に透明感と高いUVカット機能を両立した新開発品は、UVライトを用いた遮断性能のデモを通じて機能を視覚的に訴求し、来場者の関心を集めた。

 また、東レは糸分野でも存在感を示した。併催された糸展示会「ヤーン・エキスポ」で、ファイバーの高付加価値シリーズ「Toray Premium GOUSEN select」(トーレ・プレミアム・ゴーセン・セレクト、TPGS)を披露。テキスタイル起点だけでなく、糸段階から価値を訴求する戦略を鮮明にした。今回展を機に、グローバルブランドの確立に向けた取り組みを加速させる。

 帝人フロンティアの中国法人で、ポリエステル長繊維の製織・染色加工を手掛ける南通帝人は、中空異型断面ポリエステル繊維「オクタ」による軽量保温トリコットや、PTT繊維「ソロテックス」と中空糸を組み合わせた軽量ストレッチツイルを訴求した。機能性と快適性を兼ね備えた素材で、スポーツ・カジュアル分野の需要の取り込みを図る。

 旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」をアピールした。裏地用途に加え、アウターやスポーツ・インナー向け素材を打ち出した。供給体制の回復を背景に、改めて素材価値の訴求を強化している。

 GSIクレオスグループのソアロンは、トリアセテート素材「ソアロン」の麻調素材やストレッチ素材を出展。従来のスーツ用途にとどまらず、メンズウエアやアスレジャー向けなどへ素材イメージの拡張を図っている。

 ゼロテックスは「ぬれない・汚れない」機能とサステの両立を提案した。東レグループの短繊維テキスタイルメーカー、ペンファブリックと協業し、生産時のCO2削減を実現するプリント地などを打ち出した。

 日系出展者は今回展を通じ、独自素材の競争力とブランド力の高さを見せつけた。地場メーカーの追随が激しさを増す中、各社は“機能・感性・サービス”の三位一体で、中国市場を攻める姿勢を鮮明にしている。

(おわり、上海支局)