特集 北陸産地(6)/繊維機械/北陸への提案を強化/イテマ/ストーブリ/エディー/TMT神津
2026年03月27日 (金曜日)
〈イテマ/「ユニラップ」受注/主力レピア織機も受注堅調〉
イテマ(イタリア)の日本法人であるイテマウィービングジャパン(大阪府茨木市)はこのほど、「イテマテック」ブランドで展開する片レピア織機「ユニラップ」を北陸産地の企業から受注した。日本で初導入となることから、これを契機にプロモーション活動も活発化させる考えだ。
ユニラップは、独自の片レピア方式緯糸挿入システムによって炭素繊維など扁平(へんぺい)糸の製織で発生する糸のよじれを抑制する。また、ガイドレスのため経糸への干渉がなく、毛羽立ちも発生しない。
繊維強化複合材料など後工程で樹脂含侵する材料は、基材となる繊維によじれや毛羽立ちがあると加工精度が低下する。このためユニラップで基材を製織することで高品質な繊維強化複合材料などを製造することができる。
特殊用途での採用となるが、日本での導入が決まったことで実機を通じたノウハウや技術の蓄積も可能になる。こうした知見を生かし、日本でのプロモーションを活発化させる。
一方、主力のレピア織機「R―9500エヴォ」は2025年度も51台の受注があり、うち北陸産地からも大口案件があるなど高評価が続く。26年に入ってからも受注状況は堅調だ。複雑な製織に最適なレピア織機としての評価が定着していることを生かし、引き続き北陸産地などへの提案を強める。
〈ストーブリ/5月にオープンハウス/ドローイング新機種披露〉
ストーブリは5月(予定)に、大壹商事(福井県越前市)でオープンハウスを実施し、自動ドローイング機の最新機種「サファイアS37」を披露する。昨年10月の「ITMAアジア+CITMEシンガポール」で披露した最新機種で、日本での第1号機になる。
サファイアS37は、毎分280本と前機種に比べて生産性が大きく高まり、画像処理能力の向上など安定性も増した。特殊な糸でも条件設定を容易にできるなど扱いやすさも向上し、糸に触れる部分を減らして部品消耗を約40%抑えるなどメンテナンス性も向上させている。
大壹商事では2019年に、「サファイアS30バージョン2」などを披露したオープンハウスを開催しており、今回はそれに続く開催となる。
自動ドローイング機は日本の各産地で人手不足が深刻化する中で注目が高まっている。近年は、本数が少なくなるので導入が進みにくいとされた太繊度糸を扱う分野でも導入が進んでいる。
北陸向けでは、電子ジャカード機の提案にも力を入れる。昨年は大口の「LXプロ」の導入も堅調に推移した。小口の「SXプロ」と同じく従来比20%の省エネ化を実現しており、ランニングコストの低減につながる機種として好評を得ている。
〈エディー/産業資材用途に注力/ウルティマックス重点提案〉
ピカノール(ベルギー)の織機やLGLエレクトロニクス(イタリア)のフィーダーの総代理店を務めるエディー(大阪府東大阪市)は、北陸に向けて産業資材用レピア織機などの提案を強める。産業資材用途での需要は安定しており、最新機種「ウルティマックス」を柱に提案していく。
レピア織機の最新機種ウルティマックスは、尾州の衣料用途や今治のタオル用で導入が進んでいるが、今年は北陸産地での産業資材用途での販売にも力を入れる。産業資材用途では、超広幅(540㌢幅)のガイドレス式「フリーフライト」もそろえる「オプティマックス―i」への需要も引き続きあるが、生産性の高さなどからウルティマックスへの注目も高まっている。ウルティマックスは、前機種に比べて生産性が約15%高まるなど安定した高速稼働を実現している。
今年からピカノールのグローバル体制が変更され、日本市場はインドネシアと中国からフォローする形になった。これまでベルギーから技術者を呼んでいたが、ピカノール蘇州からに変わり、より迅速に対応できる形になった。ピカノール蘇州にはレピア織機だけでなくエアジェット織機に詳しい技術者もおり、よりきめ細かに日本市場をフォローしていく。
LGL製のフィーダーは織機用、編み機用とも引き続き堅調に推移する。古い機械でもフィーダーを最新式に替えることで品質向上などにつながることから、さまざまな用途で需要が増えている。足元では靴下用を含むニット用が増えているほか、細幅織機用での需要も伸びている。
〈TMT神津/リワインダー170錘受注/来期は炭素繊維用も回復〉
TMT神津は来期(2027年3月期)、主力の炭素繊維用ワインダーの回復やリワインダーの拡販などで受注増を狙う。
化合繊長繊維用リワインダー「ワインディングマスター」の今期受注は、計画の100錘を超えて170錘ほどになる見通し。日本ではユーザーが広がる中でリピート需要も出ており、海外向けも拡大した。日本では特にオートドッファーによる省力化への注目が高く、糸加工メーカー、製織工場、染工場などさまざまな分野で導入が進んだ。海外は台湾がけん引役で、繊細な糸に対する巻き取り精度などが評価され受注を伸ばした。
導入を検討する企業からの試験巻き依頼は国内外から増えており、人員や試験用の機械を増やして対応している。極太糸の巻き返しでは、要望が多かった前機種「SSP」シリーズを復刻させており、今後はワインディングマスターとSSPを住み分けながら提案していく。
炭素繊維用ワインダーは今期(26年3月期)の受注が低迷したが、足元は底を脱して引き合いが戻りつつあり、来期は回復を見込む。3月上旬の「JECワールド」では操作性や易メンテナンス性など扱いやすさを向上させた新機種を披露しており、来期の受注獲得につなげる。今後はオートドッフィング対応など自動化の開発にも注力する考え。
アラミド繊維などの高機能糸用やタイヤコード用の拡大も狙う。アラミド繊維用では、開発中の中速機を来期中に完成させる予定だ。





