「第5回ザ・メーカーズ・アパレルショー」レビュー~高まる中国のOEM・ODM力⑤
2026年03月30日 (月曜日)
東南アでの生産拡大
人件費の上昇や人手不足を背景に、東南アジアでの生産拡大にかじを切る中国企業が目立った。その一方で、高い技術力を持つ中国生産による高品質を武器に、東南アジア勢に対抗する戦略を取る業者も見られた。
南通鴻華時装はスポーツカジュアルからファッション性の高いアイテム、スポーツユニフォーム、ワークウエアまで幅広い衣料品を手掛ける。自社工場は江蘇省に2工場、河南省に1工場、カンボジアに1工場を持つ。スマートファクトリー化に取り組んでいて、独自開発の生産管理システムを導入し効率生産や品質向上につなげている。
例えばRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)では、人工知能(AI)を活用したスマートハンガーラインを採用。縫製アイテムのパーツをハンガーにつった状態のままで作業や次の工程への移動を可能にする仕組みだ。生産効率の向上を実現し、年産3千万着の製品を安定供給できる体制を整えている。
日本向けが100%だが、課題も抱える。担当者は「近年は円安の影響で採算が悪化している」と肩を落とす。さらに、従業員にかかる人件費が一段と増えている。「そもそも若者が工場勤務を敬遠するようになり、人手の確保が年々厳しくなっている」と今後を不安視する。
このため、インドネシアへの新工場建設を検討している。また日本以外との取引を模索し、アラブ首長国連邦(UAE)や欧州諸国で開催される展示会に出展。新たなビジネスチャンスをうかがう。
KNITDIGOは、ニットデニムや同生地を使った衣料品を生産する。台湾の台北市に本社を置き、中国の広東省とミャンマーに自社工場を構える。中国工場の月間生産能力はニットデニム100万㌔㌘、ジーンズ15万本、ミャンマー工場はジーンズ15万本、デニムジャケット4万着。日本向けが3~4割を占め、残りが欧米だ。
4年後をめどにミャンマーでもニットデニムを生産できる体制を整える計画。今後は人件費の高い中国工場を縮小し、ミャンマー工場の生産能力を上げていく方針だ。
日本向けは好調に推移しているという。担当者は「ワーク風のデニムパンツやジップ仕様のデニムジャケットの受注量が増えている」と笑みを浮かべる。
威海久保紡織はスポーツカジュアルなアイテム全般を生産するが、とりわけダウンウエアを得意とする。山東省に自社工場を持ち、ダウンの年間生産数は5~6万着という。
日本向けが100%で、中・高価格帯の製品が中心。担当者は「東南アジアの縫製工場に勝る高い技術力で日本企業との取引を増やしていきたい」と意欲を見せる。





