不織布新書26春(10)/日本グラスファイバー工業/岐阜化繊工業/アサヒ繊維工業/三景

2026年03月31日 (火曜日)

〈日本グラスファイバー工業/産業資材開拓に手応え/4月のテクテキ継続出展〉

 ガラス繊維など無機繊維製の織物・不織布、加工品を製造販売する日本グラスファイバー工業(愛知県江南市)は、取り組んできた一般産業資材の開拓が進み始めた。

 朝居隆社長がリーダーを務め、中国子会社の大連奥田耐熱繊維と連携を強化し改善活動や新商品開発を推進してきた。需要家と交流会もスタートし、今春からは需要家による勉強会も始める計画で「一般産業資材は受け身ではなく、提案できる」体制を作る。

 同社は自動車資材を主力とする。その一つである大型商権が無くなるため、この数年、一般産業資材用の強化に再度、取り組む。その一環で大連子会社でコーティング加工機も導入し、アルミガラスクロスの生産を始めたほか、レピア織機も増設する。また、耐炎繊維製織物の生産も始めた。

 2026年8月期はコスト上昇に伴う価格転嫁やムダの削減にも注力。その成果も出て収益は改善する。

 同社は海外にも生産拠点を持ち、ニードルパンチ不織布(NP)設備は国内、中国、タイ、インドネシア、インドにある。昨年6月には中国企業と合弁でタイにニードルマット製造の新会社を設立した。

 この合弁先と共同で、4月21~24日、ドイツ・フランクフルトで開催される産業用繊維・不織布の国際見本市「テクテキスタイル26」に出展する。同展では2社それぞれでブースを構え、中央にタイの合弁会社の紹介を行う。

 合弁会社は電気自動車のリチウムイオン電池セルの間に配置し熱暴走を防ぐ安全層用不織布を生産する。

 無機繊維のNPで米国向けに輸出するもの。米国で断熱性の高いエアロゲル加工を施す。同不織布でその他用途も開拓したい考えだ。

〈岐阜化繊工業/NP生産、フル稼働続く/販路開拓、新商材販売も〉

 ニードルパンチ不織布(NP)製造の岐阜化繊工業(岐阜県各務原市)は、生産能力上限の稼働が続く。上半期(2025年9月~26年2月)の受注量も前年同期並みで推移している。主要販売先の受注もおおむね堅調だが、これまでと同様に販路開拓や新商材の販売に向けた精力的な働き掛けを継続していく。

 本社工場のNP生産は週5日稼動で、そのうち3日は15時間操業する。輸送機械向けをはじめとする黒原着使いは通常生産能力の2割増しで対応している。副資材や機械部品、資材など多種多様な用途を持つ白わた使いもフル稼働が続く。

 主要販路の受注状況は堅調だが、林ゆり常務は「NPはこれ以上生産量を伸ばすことが難しい」と話し、現状を打破する必要性を示す。NPの用途開拓や販路形成も進めるが、これまでにない新事業の確立を進めたいとする。

 従来の販売先だけでなく、つながりのなかった企業や業種との交流を深め、NPの供給とは異なる商取引を構築していく。文具向けや建築資材向けに樹脂製の部材を販売するといった新たな事例も出ており、新事業の継続と定着に向けた働き掛けを強める。

〈アサヒ繊維工業/今期、増収増益見込む/主力商材の受注堅調〉

 フィルターやロッド(芯)など繊維製特殊加工品製造のアサヒ繊維工業(愛知県稲沢市)は今期(2026年3月期)、増収増益を見込む。主力商材の受注も堅調で、一部の価格改定も進んだことが寄与しそうだ。

 ロッドの供給は順調に推移する。主要販路先となる海外企業の芳香剤向けの受注量が増える。筆記具やメディカル、水処理機器向けの新規開発案件も複数あり、試作と改良を重ねながら早期の本格化につなげる。いずれも来期(27年3月期)の量産化を目指す。

 フィルターも供給量を伸ばした。販売先の海外生産拠点立ち上げに伴い増産の依頼があったほか、ロッドと同様に複数の新規案件を持つ。半導体向けや吸着パッドなど工業資材への採用に向けた開発を進め、早期の量産化に取り組む。

 中国・無錫市の関連企業、無錫浅井繊維精密加工では空圧機器向けの生産を担う。日本国内からの原料の輸送経費や人件費高騰などの懸念材料もあったが、価格改定や受注量の増加で黒字化を続けている。

 浅井耕治会長は「現状に満足してはいけない。来期は潮目が変わる危険性もあり、楽観できない」と話す。さらなる生産性の向上と改善意識を高めていく。

〈三景/子供エプロンや資材伸びる/ベトナムが稼働開始〉

 不織布製包装材、業務用風呂敷製造の三景(名古屋市北区)は、飲食店向けの子供用エプロンや工業・産業資材の受注が増える。お節料理を包む、主力商材の業務用風呂敷の注文は減少傾向だが巻き返しを図る。ベトナム子会社の新工場は昨年11月から稼動しており、生産性向上に向けた取り組みを進める。

 今期(2026年5月期)は増収増益で推移する。工業・産業資材向けが伸びたことが主な要因だ。子供用エプロンは飲食店からのOEM受託が増える。包装材も靴やスポーツ用品、精密機械向けで採用が増加した。環境配慮型原料を使用した商材への要望が主流という。

 今期の業務用風呂敷の売上高は前期比5%減。安価な商材への置き換えが影響し、単価が下がったと言う。業務用風呂敷の製造販売は祖業で売上比率が高いため、商品構成や販売方法の刷新などで反転攻勢を狙う。

 ベトナム子会社の三景マニュファクチャリングベトナムは20人体制で稼働し、今後も人員を増強する。縫合機など3台の設備を導入済み。今月から8時間ずつの2交代制で包装資材の生産を担う。生産面の工数・工程改善や原価計算、マニュアル化などに取り組んでおり、本社や大安工場(三重県いなべ市)の業務改善に水平展開する試みも行う。