不織布新書26春(13)/化繊ノズル製作所/タピルス/ハビックス/フタムラ化学
2026年03月31日 (火曜日)
〈化繊ノズル製作所/繊維は来期回復見込む/メンテナンス機も強化〉
紡糸ノズル製造大手の化繊ノズル製作所(大阪市北区)は2027年3月期、前期比10%増収を目指す。今期苦戦した化学繊維用、不織布用も同程度の伸びを見込む。「中国向けで炭素繊維用やメルトブロー不織布(MB)を中心に成約が進んでいる」(戸川和也社長)ことに期待する。
今期は売上高は横ばいの見通しも化学繊維用、不織布用は苦戦した。主力である中国の需要減に加え、東南アジア向けも中国からの繊維輸入増で需要家が減産を強いられたため。さらに「価格、納期で中国製に取られている案件もある」として「どこまで中国品に近づけられるか」が来期の課題とする。
同時に化学繊維、不織布用ではノズル孔メンテナンスユニットの販売も強化する。同製品はノズル孔の観察、掃除が1台で対応できるもの。昨年開催された繊維機械展「ITMAシンガポール25」でも紹介したが、来場者の関心は高く、成約に結び付いた。
今年6月にトルコで開催される繊維機械展「ITM26」にも出展し、同ユニットもアピールする予定だ。
同社はトルコ市場の開拓に力を入れている。「欧州製よりも価格は少し高くなるが、高精度」を武器に、化学繊維、不織布用でノズル入れ替え需要などを見込んでいる。通常比2倍の紡出量を持つ多列型MBダイも関心が高い。衛生材料向けSMMS(スパンボンド不織布とMBの複合タイプ)業界は低調だが、引き続き提案を続ける。
全社的には新工場を立ち上げた半導体関連に力を入れる。次世代型への切り替え時期でもあるため、来下期からの回復に期待する。同じく新規事業として開発を進めるメディカル関連は試作を始める計画だ。
〈タピルス/コスト減と拡販の両輪で/利益も中計の水準へ〉
メルトブロー不織布(MB)を製造・販売するタピルス(東京都港区)は、コスト削減と販売拡大の両輪で事業を進める。中期経営計画の初年度だった2025年度(25年12月期)は前年度比増収増益ながら利益は計画未達となり、26年度は利益面でも中計の水準に乗せる。
25年度は、1次電池用セパレーター関連が順調に推移し、液体フィルター用途も堅調な動きを見せた。売上高と販売数量は新型コロナウイルス禍前の水準に戻ったが、原料高とエネルギーコスト高、円安、人件費上昇などが利益を圧迫した。
26年度はコスト削減に注力する。4月1日付でDX推進部を発足してコストを見える化し、データを活用しながらロス削減や省エネを図る。まずはどの部分を削減できるか明確にし、中計最終の27年度には大きな成果を見込む。
販売拡大は、既存ビジネスの強化に加え、海外を中心に新規顧客の開拓に注力する。アジアや欧州に目を向け、昨年12月に中国で開催された不織布関連展示会に参加した。5月にスイスで開催される「INDEX26」も視察する。
タイの子会社のタイタピルスは生産数量が新型コロナ禍前の水準に回復した。日本の伊勢原工場(神奈川県伊勢原市)からの生産品のシフトを含めて継続的に強化する。
〈ハビックス/衛生用品に業態を拡大〉
エアレイド不織布、エアスルータイプのサーマルボンド不織布(エアスルー不織布)製造のハビックス(岐阜市)は、衛生用品製造に参入する。ユニ・チャーム子会社のユニ・チャームプロダクツ(愛媛県四国中央市)と製造委託契約を結び、2027年4月からペットケア商品の生産を始める。
これに伴い、約44億円を投じて岐阜県本巣市に新工場(岐阜工場)を新設。生産するペットケア商品には自社生産するエアスルー不織布や衛生用紙も活用する。不織布、紙とも生産する強みを生かす。同時に不織布の稼働率向上に結び付ける。
同社はエアレイド不織布で1系列・月産800トン、エアスルー不織布は2系列・月600トンの生産設備を持つ。
〈フタムラ化学/価値を認める需要家へ販売〉
フタムラ化学(名古屋市)は、環境配慮型不織布「ネイチャーレース」で「価格を崩さず、価値を認める需要家に販売する」ことを重視する。
ネイチャーレースはイオン液体でパルプを溶解し製造したセルロース繊維を水流交絡で不織布化する。大垣工場(岐阜県大垣市)に年産1200トンの専用設備を2023年に導入。25年から販売する。一方、3月末で世界唯一の湿式短繊維スパンボンド法のセルロース不織布「TCF」の生産を休止する。
〈紙おむつ生産量/遂に70万トンを割り込む/乳幼児用は17年比半減以下〉
不織布最大用途として君臨した紙おむつの生産減少が止まらない。2025年は重量ベースでついに70万トンを割り込むなど、かつての面影はもはやない。
25年の生産量は枚数ベースで171億枚強(前年比1・7%減)、重量ベースで68万トン強(2・8%減)となった。乳幼児用は枚数ベースで71億枚強(前年比10%減)、重量ベースで23万トン強(10・2%減)となった。
少子化に加え、インバウンド需要や輸出で活況を呈した中国向けの落ち込みから幼児用は18年以降、減産に転じた。17年に比べると重量ベースで、55・9%減と半減以下に縮小した。
一方、大人用(パンツタイプ/パッド・ライナー)は25年、枚数ベースで100億枚強(5・2%増)、重量ベースでは45万トン強(1・5%増)。初めて100億枚台を突破した。
紙おむつにはポリプロピレンスパンボンド不織布(SB)やエアスルータイプのサーマルボンド不織布(エアスルー不織布)が使用される。これらを生産する不織布メーカーへの影響は大きい。さらにエアスルー不織布の原料となるオレフィン系、エステル系の熱融着繊維にも打撃を与える。
このため、ポリプロピレンSBでは三井化学と旭化成の合弁会社であるエム・エーライフマテリアルズ(東京都中央区)や海外子会社から輸入販売する東レは構造改革に着手している。





