シキボウ 販売網に“横串”刺し海外攻勢
2026年04月02日 (木曜日)
シキボウは今期(2027年3月期)、国内外の生産・販売拠点を連携し、海外展開を加速させる。25年12月に承継したユニチカトレーディング(UTC)の衣料繊維事業の商材や販売網、人材を融合し、今月から繊維部門の新体制を始動させた。鈴木睦人社長は「販売網に横串を刺して海外に売っていく」と話し、統合による相乗効果を収益拡大につなげる。
前期の第3四半期は中東民族衣装向け生地輸出がけん引するなど、繊維部門全体が好調に推移した。足元では情勢悪化により中東向け輸出が一時的に止まっているが、ラマダン商戦向けは昨年12月までに出荷を終えた。「現地在庫が減れば反動で再び受注が戻る」とみており、状況を注視しながら柔軟に対応する。
今期は特に海外展開で相乗効果を発揮する。インドネシアでは、紡織加工会社のメルテックスに、承継した販売拠点を加え、ジャカルタ事務所を統合した。人口増加が著しい同国を有望市場と位置付け、制服やユニフォームなどの内販を強化する。
ベトナムでは、ホーチミン拠点が持つ糸や編み地の機能に、UTCのハノイ拠点が持つ織物と縫製の機能が加わり、糸から最終製品までを一気通貫で提案できる体制が整った。
中国でも寝装品の展開にユニフォーム分野が加わったほか、複重層糸では「ツーエース」と「パルパー」を用途に応じて使い分けるなど、提案の幅が広がっている。
他部門でも海外展開を加速させる。産業資材部門はアジア圏の廃水処理の需要を捉え、処理機メーカーと連携してフィルターの新規市場を開拓する。機能材料部門の食品分野は、シキボウ堺(堺市)の工場でアレルゲン対応やイスラム教の戒律に沿った「ハラール認証」を取得しており、対応力を強みに増粘多糖類の海外販売を拡大する。
原料やエネルギー費の上昇が続く厳しい環境下にあるが、自助努力によるコスト削減を図りつつ、「適切な時期に価格転嫁を実施し、適正価格で販売する」。拡充した海外販売網と新体制の提案力を強みに、グローバル市場での収益力向上につなげる。





