ごえんぼう

2026年04月03日 (金曜日)

 一雨ごとに深まる春。朝の空気の緩みとともに眠気がまとわりつき、ふとんから出るのが惜しい▼〈春眠暁を覚えず〉は、中国・唐代の詩人、孟浩然が詠んだ漢詩『春暁』の冒頭句。日本では平安時代の漢文教育から広まった。単なる文学的表現にとどまらない。春に眠気が増す現象には科学的根拠がある▼日照時間の急増が体内時計を狂わせ“睡眠ホルモン”と言われるメラトニンの分泌を乱す。気温上昇は副交感神経を優位にする。こうして覚醒は鈍り、眠気は強まる。1300年前に孟浩然が捉えた春のまどろみは、生理学的にも正しい▼不眠などの睡眠障害に悩む人が増える中、医療機関が標ぼうする診療科名に「睡眠障害」が加わる。内科など既存診療科名との組み合わせで、年内に名乗れる見通し。必要な医療に確実に届く体制は重要だ。春に限らず、夜眠れても日中強い眠気があれば過眠症かもしれない。気軽に受診してみては。