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経産省/外需獲得のヒント集作成/繊維業の海外展開後押し

2026年04月03日 (金曜日)

 経済産業省は、昨秋から4回にわたり開催してきた「繊維産地から目指す次世代繊維企業の外需獲得に向けた研究会」の議論をとりまとめ、実務向けハンドブック「海外展開を考える前に整理すること―準備と実践ヒント集」を作成した。ホームページなどで公開する。

 日本の高付加価値な生地やモノ作りの技術を海外へ売り込む外需獲得は、全ての産地・企業にとって避けて通れない経営課題とし、具体的なノウハウやサステイナビリティー対応、サプライチェーン全体での準備の重要性を体系化し、次なる成長への道筋を提示。資金力や語学力、商習慣の違いから海外展開に二の足を踏む企業や、一度は挑戦したものの成果が出ずに撤退する企業に参考にしてもらいたいとしている。

 身の丈に合った準備とトライアンドエラーの繰り返しを推奨しており、「自社確認編」「市場分析編」「国内準備編」「海外展開編」「海外展示会編」の実践的な5段階で構成。海外バイヤーからの小ロット・短納期による“お試し発注”に応えるためには、自社工場だけでなく、協力工場を含めた工程ごとの負荷状況や在庫手配などを事前に点検しておくことが不可欠などのアドバイスを示している。

 また、欧米のラグジュアリーブランドなどでビジネスの標準になりつつあるサステへの対応についても言及。ターゲット市場に応じた優先順位付けと、要求に応じた段階的な取得を促している。環境配慮やトレーサビリティーの確保は、単なるコスト増や負担ではなく、メード・イン・ジャパンのブランド価値を高める重要な戦略として位置付ける。このほか、先行企業の失敗談や実務に即した委員のコメントを盛り込んだ。

 研究会参加メンバーは次の通り(敬称略)。▽中島君浩(中伝毛織)、梶政隆(カジグループ)、高木義秀(福井経編)、佐藤正樹(佐藤繊維)、山下智広(エイガールズ)、篠原由起(篠原テキスタイル)、山本敏明(西染工)、楠泰彦(クスカ)、浅野雅己(浅野撚糸)、西村将弘(宇仁繊維)、白石正裕(ファッションしらいし)、森田芳弘(スタイレム瀧定大阪)、土屋旅人(タキヒヨー)。オブザーバーは▽富吉賢一(日本繊維産業連盟副会長兼事務総長)、奥山雅之(明治大学政治経済学部教授)、稲垣貢哉(信州大学特任教授)、宮浦晋哉(糸編)、古茂田博(日本ファッション・ウィーク推進機構事務局長)、和波真帆(ジェトロ海外展開支援部主管ライフスタイル担当)