東洋紡 新中計で投資の成果実現
2026年04月07日 (火曜日)
東洋紡は2030年度(31年3月期)を最終年度とする5カ年中期経営計画を策定した。竹内郁夫社長は「これまで実行してきた成長投資・仕込みの成果を実現する」と強調する。重点事業への集中投資によるポートフォリオ改革を推進し、30年度に売上高5千億円、営業利益450億円、純利益190億円、営業利益率9%、自己資本利益率(ROE)8%以上、投下資本利益率(ROIC)6%以上を計画する。
新中計策定に合わせて「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続ける」というビジョンを明確にした。「先端材料」「ヘルスケア」「環境・エネルギー」を重点領域と位置付ける。同社のブランドスローガンとして「いのちと世界の、役に立て。」を掲げる。
新中計では「工業用フィルム」「環境・機能材〈電材〉」「バイオ」「メディカル」を重点事業と位置付け、経営資源を集中投資するポートフォリオ改革を推進する。また、未来への布石として「先端材料」「ヘルスケア」「環境・エネルギー」を重点領域と位置付け、研究開発と事業化を強化する。
これにより、30年度にフィルム事業は売上高2200億円、営業利益200億円、ライフサイエンス事業は売上高500億円、営業利益90億円、東洋紡エムシーを中心とした環境・機能材事業は売上高1500億円、営業利益150億円を計画する。
このうち環境・機能材事業は「電材」「環境」「モビリティ」の3領域に経営資源を集中する。高分子・有機合成技術を生かした独自素材・技術で電材領域での製品を拡充する。紡糸技術を生かした中空糸膜や高強力繊維で環境領域でのソリューションビジネスへの転換を進める。モビリティ領域では、自動車メーカーとの共同開発などを通じて高付加価値化を進める。
繊維は維持改善を継続
前中計では要改善事業に位置付けられていた繊維事業に関して竹内社長は「収益改善が進んだ」とし、新中計では課題事業ではなく維持改善事業と位置付ける。30年度には売上高約450億円、営業利益約35億円を見込む。
うちエアバッグ事業に関して竹内社長は「収益改善が進み、黒字化のめども立った。新中計でも引き続き収益性を高める」として、生産拠点をタイに集約するなど投下資本をコンパクトにすることで、投下資本利益率を高める考えだ。
東洋紡せんいを中心とした衣料繊維事業は中東民族衣装用織物に引き続き力を入れるほか、多くのアイテムでニット化の流れが強まっていることから、ニット生地・製品の拡充を進める。また、衣料用途だけでなく資材用途の開拓にも力を入れる。
日本エクスラン工業のアクリル短繊維事業は衣料用汎用(はんよう)わたの自家生産を縮小し、海外での委託生産に切り替える。国内工場ではアクリレート繊維を含めた機能品に特化し、機能繊維製品のほか、フィルターなど産業資材分野へのシフトを一段と強める。





