繊維ニュース

旭化成 投資と改革の手緩めず

2026年04月08日 (水曜日)

 旭化成は、成長投資と構造改革のスピードを早める。工藤幸四郎社長は、進行中の3カ年の中期経営計画について「成長投資と構造改革の両輪だった初年度(2026年3月期)は満足している」とした上で、26年度も「手は緩めない」と強調した。ただ、不確実性が高まる中、これまで以上に早い判断が要るとし、情報収集にも力を入れる。

 中計初年度の25年度は、医薬関連や半導体材料、水素関連で成長投資を実施・発表した。構造改革も事業売却やクラッカーの統合を行い、工藤社長は「構造改革で少し遅れているものもあるが想定の範囲内。両施策が確実に実行できた」と評価を与えた。

 業績面にも好結果として表れており、営業利益は過去最高を更新する2250億円の見通しとなっている。事業では、人工知能(AI)・半導体関連やヘルスケアがけん引役になったほか、クリティカルケアも回復基調に入った。一方で繊維事業は、24年度と比べると総じて厳しい状況だった。

 中計2年目の事業環境は、これまでに経験したことがないほどに不確実性が高まっているとの認識を示した。「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域で事業を展開する中で、ポートフォリオ改革も実施してきた。こうした取り組みを続けることで不確実な時代も乗り切れるとした。

 24、25年度に連続で成長投資を実行しており、26年度は成果の獲得を図る。成長投資と構造改革は手を緩めることなく進める方針だが、判断や見極め、実行のスピードを速める。変化に柔軟に対応し、常に改善を追求することが26年度の最大のポイントと捉える。

 繊維事業は、25年度からの反転を目指す。人工皮革「ディナミカ」は、自動車関連で「可能性のある用途」が出てきたとし、キュプラ繊維「ベンベルグ」は、火災事故からの復旧が26年度でほぼ完了するとした。ポリウレタン弾性繊維「ロイカ」は大手SPA向けや紙おむつ用途の回復に力を入れる。

 10月に控える旭化成アドバンスと帝人フロンティアの経営統合についても言及し、「かなり広い範囲でシナジーが発揮できる」と期待感を示した。その上で「できるだけ早くシナジーが出るよう、親会社として全面的にサポートする」と話した。