スタイレム瀧定大阪 事業基盤再強化が優先
2026年04月08日 (水曜日)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は今期を「事業基盤を再強化する年」(瀧隆太社長)と位置付け、国内外で改めて生産サプライチェーンの強固化に取り組む。モノ作りの方向性は、独自性と付加価値化だ。
一部既報の通り、同社グループの前期(2026年1月期)業績は、製品事業の拡大が寄与して前の期比で増収となり、増益も果たした。ただし今期はイラン情勢に端を発した原油高などが強く懸念され、市況悪化も見込まれる。「増収増益を目指さないわけではないが、次の飛躍に向けて、あえて伸ばさない年があってもいいと考えている」とし、事業基盤の再強化を優先する。
同社の事業基盤は独自の企画開発力や提案力、リスクを取る力。そこに、産地企業や染色加工場らモノ作りのチームが加わる。近年は中国やイタリア、インド、ASEANなどでも生産や仕入れの基盤を築いてきた。今期はこの機能をさらに磨く。
北陸産地に設立した糸加工のWS(石川県宝達志水町)、尾州産地に設立した織布のカナーレジャパン(愛知県一宮市)などを通じて「ならでは」の開発を続けつつ、海外ではインドネシアやインド生産の深掘りに臨む。資本提携したイタリアの生地メーカー、ジオリカとの協業も強め、生地開発力をさらに引き上げる。ミラノやパリに配したショールームは販売強化に活用する。
前期グループ連結業績は、衣料製品の売り上げ(400億円)とライフスタイル製品の売り上げ(42億円)の合算が、生地の売り上げ(437億円)を上回った。アパレルメーカーが生地ではなく製品での納入を希望するケースが増えているためだ。全体の増収には、このアパレルメーカーの仕入れ形態の変化に対応できたことが奏功した。
今後もこの流れは強まるとみて、生地から製品までの一貫提案をこれまで以上に強める。前期から大阪本社制を東京・大阪の両本社制に変更するとともに、大阪から東京への転勤者も大幅に増やした。これにより生地部門と製品部門の連携が活発化しているという。
WSやカナーレジャパンに続く直接的な設備投資にも、ボトルネックの解消、高付加価値化、競争力の引き上げなどを念頭に、「価値観を共有できる取引先との関係強化」の一環として必要に応じて実施していく。





