TTS(1)/15~17日に浜松町館で開催国内外から86社が出展
2026年04月08日 (水曜日)
生地総合展「第3回東京テキスタイルスコープ(TTS)27春夏」が15~17日に東京都港区の東京都立産業貿易センター浜松町館で開催される。国内外の企業86社が高機能・高感性生地をそろえ、買い付け担当者らの期待に応える。誰もが新たな発見を見いだせる企画展示コーナーも設ける。
主催の日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)は、TTSを「業種や世代、産地などの垣根を越えた交流・情報交換の場」「産産連携・産学連携による新たなビジネスチャンスを創出する場」「日本のモノ作りのクオリティーと価値を世界に発信する場」に位置付け、繊維・ファッション業界全体の発展を図る。
第3回の今回は関連イベントとの連携強化を図ることで来場を促進するとともに、昨年スタートした新規事業もブラッシュアップして展開する。東京都立貿易産業センター浜松町館の2~4階を会場とし、2階が企画展ゾーン。2階の一部と3・4階を出展者ゾーンとする。
8社・1団体が新規出展(JFWO主催の国内展に出展履歴がない企業)し、全体で86社・94小間の規模となる。国内ではIONO水田、カツクラ、野澤組/煙台進和進出口、和歌山ニット工業組合、エックスライト社が初出展企業に名前を連ねる。海外の初出展は4社を数える。
出展者ゾーンのうち2階は、ニットファブリックゾーンに設定している。3階は、シルク、化合繊、服飾資材関連の企業が一堂に会する。4階は綿、麻、デニム、ウール、刺しゅう・レース、プリント・染色・後加工に関連する企業がブースを構える。
TTSでは、毎回高機能生地や高感性生地などの高付加価値商品が提案される。多くのアパレル関係者や買い付け担当者らの注目を集め、「新規顧客獲得につながった」という出展者の声は少なくない。今回展でも密度の高い商談が行われると期待されている。
〈産地フォーカスは「和歌山ニット」〉
さまざまな企画が実施されるのもTTSの魅力の一つとなっている。2階の企画展ゾーンでは、「トレンド&インデックスコーナー」や人気素材投票コーナーの「ワッツネクストテキスタイル」が設けられる。中でも人気を博すのが、国内産地のモノ作りを仮想現実(VR)で疑似体験できる産地フォーカスだ。
日本製生地の品質は、日本各地の地域特性を生かして独自に継承・発展してきた繊維産地が基盤になっている。こうした産地の魅力を取り上げるのが産地フォーカスで、TTSだけでなく、「ミラノ・ウニカ」や「プルミエール・ヴィジョン パリ」でもレビューを実施し、高い評価を得る。
第1弾の「デニム」、第2弾の尾州のウールに続く、第3弾では「和歌山ニット」に焦点を当てる。1900年代初めに5台のスイス製編み機の導入で始まった和歌山ニット産地は、丸編みニット生地の生産で全国トップに成長し、海外ラグジュアリーブランドも注目するまでになった。
今回の産地フォーカスでは、ドローンによる産地風景や迫力のある工場現場の撮影のほか、生産現場からクリエーターがそれぞれのモノ作りへの思いを語る。TTS出展企業に加え、ヤマヨジャージィ(丸編み地製造)、豊染工(染色・後加工)、オランジェ(縫製)、エーベル鈴木(縫製)が撮影に協力した。
〈他の企画も充実〉
そのほかの企画も充実が図られている。トレンド&インデックスコーナーは、「詩情派」「旅人(異邦人)」「愛しのマシーン」「ガレージヴィンテージ」の四つをテーマに設定した。出展企業の素材をテーマに区分して紹介する。27春夏のトレンドコンセプトは“時の間”としている。
次の売れ筋を探るワッツネクストテキスタイルは、来場者参加型の企画で今回が7回目。45社のよりすぐりの商品が並ぶ。来場者のほとんどがコーナーに立ち寄り、ここで見た生地を求めてブースに訪れる買い付け担当者も増えており、ビジネスの起点にもなっている。
JFWOは、JFWOファッションウィーク事業に参画するファッションデザイナーとTTS出展テキスタイル企業との新たな出会いを創出するマッチングプログラム「JFWO Fabric Connection」を始動している。TTS会場内にデザイナーと企業が直接対話できる機会を設け、交流を活発化する。
ワッツネクストセミナーは、2階に設けるイベントスペースで3日間セミナーを開く。ファッション&テキスタイルのこれからを展望し、旬な話題を取り上げて解説する。「EUデジタルプロダクトパスポート(DPP)規制の最新動向―繊維・アパレル企業が今すぐ備えるべきこと」(仮題)などが予定されている。
JFWOでは、プルミエール・ヴィジョンやアパレル合同展「トラノイ」を主催するGLイベンツ、「インターテキスタイル上海」などを開催するメッセ・フランクフルトなどと連携し、互いに展示会で情報発信し、TTSの認知度向上と来場促進を図っている。
〈イベントスペースでセミナー開催〉
「ワッツネクストセミナー」は、2階のイベントスペースで3日間にわたって開催される。合計で5回のセミナーが予定されているが、展示会最終日となる17日午前10時30分からは、「中国繊維・アパレル産業の最新動向~ブランドの動向と生地内販の最前線、そして機械のAI活用まで~」と題したセミナーが開催される。
同セミナー第一部の「中国アパレル市場・生地内販の最新動向」には現地で日々取材活動しているダイセン(繊維ニュース)の岩下祐一上海支局長が登壇。複雑かつ絶えず変化する中国アパレル市場の構造や生地の内販ビジネスを解説する。
第二部の「国際繊維機械展の視点から探る繊維産業のスマート化・デジタル変革の未来」では、「ITMA ASIA+CITME2026」事務局主任の湯蓉氏と銭玉氏が講師を務める。人工知能(AI)などを活用したスマート化の最前線を展望する。
そのほか、「Scope on WAKAYAMA Knit」と題したセミナーが15日(パート1)と16日(パート2)に企画されている。
糸編の宮浦晋哉代表取締役がモデレーターを務め、パネリストにはエイガールズの山下智広社長や丸和ニットの辻雄策社長、カネマサ莫大小の百間谷浩平取締役、オカザキニットの岡崎秀昭社長らが名を連ねる。
「TOKYO AI FashionWeek」のセミナーも予定(15日)されている。
〈JFWO 事務局長 古茂田 博 氏/新しい“ネタ”を提供〉
昨年5月の初開催から、今回で3回目を迎える「TTS」。生地の総合展示会として、常に新しい発見が見つけられるよう、さまざまな仕掛けを行ってきた。「展示会の在り方が変わっている。従来型の展示会ではいけない」と話すJFWOの古茂田博事務局長に話を聞いた。
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――TTSが始動して間もなく1年が経過します。
ファッション業界は、これまでの主要な販路であった百貨店が店舗数を減らしている一方で、電子商取引(EC)の比率が高まっています。構造が大きく変化していることに加え、アパレルブランドの統廃合もあり、バイヤーや企画MDも減少しています。
展示会に来場する人や目的も変わり、これまでと同じような形の展示会では対応が難しくなっています。誰もが新しい“ネタ”を探しに来ています。TTSではそこに重点を置き、情報交換ができる場所という面を強化しました。将来を担う学生に興味を持ってもらうことも重視しています。
――今回展の見どころは。
産地のモノ作りが仮想現実(VR)で疑似体験できる産地フォーカスが一つです。第1回のデニム、第2回の尾州のウールはTTSではもちろん、海外展でも高い評価を得ました。今回焦点を当てた和歌山ニットも期待に応えられると思っていますので、楽しみにしてほしいです。
個人的にはトレンド&インデックスコーナーも楽しみです。同コーナーはJFWOがテーマを設定していますが、テーマに合わせてモノ作りをお願いしているわけではありません。それにもかかわらず各社の生地はテーマに沿ってうまく区分けできます。そこが面白いと感じています。
――会期が昨年よりも1カ月早くなりました。
当初から4月の開催が良いと考えていました。展示会の大きな課題は集客にあります。日本国内で産地合同展などが開催される4月に会期を持ってくることで、TTSが生地展の基点となる「Tokyo Textile Week」としてプロモーション活動を一体的に行うことができます。





