今春の入学商戦は納品順調/大手学生服メーカー/変化受け次の試練に備え
2026年04月09日 (木曜日)
2026年の入学商戦の納品はおおむね順調に進んだ。トンボ、菅公学生服、明石スクールユニフォームカンパニーの学生服メーカー大手3社が取り組んできた供給体制の強化が実を結んだ。課題となっていた在庫過多も今入学商戦で適正化のめどがつきそうだ。25年の価格改定や生産性向上への取り組みで各社とも業績の伸長が見込まれる。(光元 徹)
23年から3年連続で700校を超えていたモデルチェンジ(MC)は26年、約500校と減少へ転じたものの引き続き高い水準にある。性的少数者(LGBTQ)への配慮によるブレザーへの移行で小ロット多品種の傾向が強まり、ここ数年は生産や納品面で緊迫した状況が続いた。これを受けて、学生服メーカーが取り組んできた供給体制の強化が奏功し、納品は順調に進んだ。
菅公学生服は、国内生産拠点間で柔軟に“品種転換”できる生産の仕組みを磨いてきた。スポーツ衣料で一部、染色加工場の生産キャパシティー減少に伴う生地の遅延はあったが、品種転換によって適正な時期に適正な商品を製造して対応。尾﨑茂社長は、「品種転換は、学生服製造に資する体制。今後も整備を進める」方針だ。
20年ごろから続いた供給不安へ対応するため、在庫を多めに積み増したことで、在庫過多が課題となっていた。各社、素材や縫製仕様の集約、生産数の調整を実施して26年には在庫の適正化も進んだ。
トンボの藤原竜也社長によると、「1年で30%程度ずつ適正化を進め、26年の入学商戦で適正化のめどが付きそうだ」という。MCの獲得も好調に推移し、獲得校、人数共に増加した。これらを受けて、26年6月期は増収増益を見込む。
価格情勢は、25年の価格改定時に残した継続交渉はあるものの、26年は目立った値上げの動きはなかった。
明石スクールユニフォームカンパニーなどを含む明石グループの25年12月期連結決算は、5期連続の増収で、4年ぶりに増益を達成した。25年の価格改定や生産効率化、在庫削減などの施策が奏功した。
河合秀文社長は、「やっとスタート地点に立てた」とした上で、「今後少子化などの諸問題が顕在化することを見越して、現在の売り上げで、利益を確保できる体制を整える」と話す。
26年度から、所得制限なしで私立、公立を問わない実質無償化が全国の高校で始まった。私立の受験者増や、公立の統廃合が進みそうだ。学生服への影響は、来年以降になると見込まれる。27年以降のMCは、ブレザー化の伸展で26年の約500校から大幅に減少するとの情報もあり、高校授業料無償化と併せて、大きな業界変化をもたらす可能性がある。学生服業界の持続可能性を目指した取り組みが加速しそうだ。





