ひと/東洋紡せんいの社長に就いた長尾 貴庸 氏/従業員がいとおしい
2026年04月09日 (木曜日)
4月から東洋紡の執行役員兼東洋紡せんい社長に就任した。管理部門やスーパー繊維畑でキャリアを重ね、衣料繊維にもこれまで10年間携わってきた。「衣料繊維は従業員が苦労しながら知恵を絞って頑張っている。そういう姿を見ると、本当にいとおしくなる」と話す。
入社後、管理部門に配属された長尾さんだが、転機となったのが34歳の時。「当時の上司に『君も一度くらいは営業を経験した方がいい。席を見つけてきたから』と言われて、初めて営業を経験した」と振り返る。
担当したのが高強力ポリエチレン繊維「ダイニーマ」(現「イザナス」)。元の上司からはすぐに管理部門に戻すからと言われていたのだが、「サラリーマン“あるある”で、その上司が異動でいなくなってしまい、口約束はうやむやに」。結局、16年間もスーパー繊維の営業を担当することになる。
50歳で再び転機が。東洋紡STCに異動し、今度は衣料繊維を担当することに。カルチャーショックも大きかった。それまでスーパー繊維という“オンリーワン商品”を扱っていたのに対し、衣料繊維は過当競争ともいえる厳しい事業環境。「そんな中で現場の従業員が苦労しながら利益を確保している姿を見ると、本当にいとおしくなる」と話す。
同時に、スーパー繊維も衣料繊維も繊維の力で世の中に貢献しようとしていることは同じだとも改めて感じた。東洋紡の企業理念である「順理則裕」が確実に息づいている。だからこそ東洋紡せんいの社長として現場の従業員へのバックアップを惜しまない。「従業員には『現場に連れ回してくれ』と言っている」とか。
ちなみにダイニーマの営業を担当していた当時、東洋紡のもう一つのスーパー繊維であるPBO繊維「ザイロン」の担当として机を並べていたのが、やはり4月から東洋紡の繊維本部長に就いた黒木忠雄氏。こちらの方も久しぶりのコンビ復活となる。
「仕事が変わるタイミングは、やはり印象に残る」と話す長尾さん。次は東洋紡せんいの社長として新たな挑戦に期待が膨らむ。
(宇)
ながお・たかやす 1988年京大・経済卒、東洋紡入社。繊維・商事企画管理部長兼東洋紡STC管理部長などを経て2022年機能繊維事業総括部長兼東洋紡せんい取締役管理本部長、25年機能繊維事業総括部長兼東洋紡せんい取締役営業本部長、26年4月から執行役員兼東洋紡せんい社長。宮崎県出身。60歳。





