繊維ニュース

ファッション・フォー・グッド/欧州で繊維再生基盤整備へ/原料供給の課題解消

2026年04月17日 (金曜日)

 持続可能な繊維産業の実現を目指すオランダの国際団体、ファッション・フォー・グッドは、使用済み繊維の選別・前処理インフラを構築するプロジェクト「フィードストック・アクティベーション・ヨーロッパ(FAE)」を開始した。再び着用できない繊維製品を繊維間リサイクル(繊維to繊維)に活用する基盤を整備し、循環型経済の実現を目指す。

 使用済み繊維の多くは現在、ダウンサイクルや埋め立て、焼却に回されており、リサイクルに利用される割合は限定的だ。背景には、素材の不均一性や高コストに加え、選別・前処理といった上流インフラの不足がある。リサイクル業者は品質や価格面で厳しい条件を求めており、安定供給が難しい状況が続いている。

 一方、欧州では拡大生産者責任(EPR)の導入が進み、ブランド企業に廃棄段階までの責任が求められる見通しで、再生原料の需要は拡大している。

 プロジェクトにはブランドパートナーとしてアディダス、ベストセラー、インディテックスなどが参画。さらにシャネル、リーバイ・ストラウス、ラルフ・ローレン、帝人フロンティア、ザランドなど企業パートナーの支援も受ける。

 取り組みは①混紡分離やエラスタン(弾性繊維)の除去、汚染物質の除去といった高度な前処理技術の実用性評価②欧州各地に選別・前処理ハブを設置し、自動化設備によって大量処理と品質の均一化を実現――の2本柱。処理コストの低減と原料品質の向上を両立し、商業的に成立するリサイクルモデルの構築を目指す。

 繊維循環の実現には上流インフラの整備が不可欠とされ、FAEの取り組みはその鍵を握るとみられる。