繊維ニュース

日本化学繊維協会 安定供給に全力

2026年04月20日 (月曜日)

 日本化学繊維協会の内川哲茂会長(帝人社長)は、17日の本委員会後の定例会見で中東情勢悪化による原油・ナフサ高騰と供給不安に関して「政府と協力しながら、化繊業界としても目詰まりを起こさないように安定供給に全力を上げる」との考えを強調した。

 内川会長は、政府が当面必要なナフサを確保できているとの発信を受け「合繊原料であるナフサ由来の各種誘導体も確保できており、会員企業からも当面は減産などを行う計画はないと聞いている」との認識を示す。また、東南アジアなど海外工場での生産に関しても現時点では稼働低下などの問題は起こっていないとする。その上で「供給の目詰まりなどを起こし、川下の仕事が止まるような事態を引き起こすわけにはいかない」として、化繊業界として安定供給に全力を上げる考えを強調した。

 一方、急激な原油・ナフサ価格の高騰によって合繊の製造コストが大幅に上昇していることから「可能な限り自助努力でコスト上昇を吸収しているが、その限界を超えた部分は値上げによる転嫁をせざるを得ない」と話す。現状では、糸・テキスタイルで10~20%の値上げは避けられないとして、需要家に対して理解を求めた。

 ただ、合繊をはじめとしてあらゆる素材の価格が上昇することで最終製品の価格も上昇する可能性が高いことから、消費減退など今後の経済への悪影響に対して懸念を示した。

5月にアジア化繊産業会議

 日本化学繊維協会は5月14日から15日までマレーシア・ペナンで開催される第15回アジア化繊産業会議に内川会長のほか約20人を派遣する。今回の会議テーマは「サプライチェーンのグリーン化:未来のための持続可能な取り組み」。アジア地域の化繊業界の代表が一堂に会して情報交換と相互の認識・理解を深め、信頼関係を築き上げることを目指す。

 本委員会ではそのほか、Spiber(山形県鶴岡市)の入会を承認した。私的整理に入った旧Spiberからの事業譲渡による会員資格の継承となる。また、化学繊維の知識普及活動として『化学繊維を知ろう』『世界は化学せんいでできている』『化学繊維のサステナビリティ6つのQ&A』を作成・刊行した。