春季総合特集Ⅳ(14)/Topインタビュー/ボーケン品質評価機構/理事長 吉田 泰教 氏/未来から選ばれる存在に/BOKENグループの強み拡充
2026年04月23日 (木曜日)
ボーケン品質評価機構は、従来型の納品前試験を主力とする検査機関から、「お客さまと共同で品質保証するパートナー」としての第三者試験機関への転換に取り組んできた。社会が求める品質・環境・人権への対応に取り組むことで、「信頼のBOKENブランドの構築」に取り組み、未来から選ばれる存在となることを目指す。
――試験機関として取り組む領域が広がっています。
これまでの大量生産・大量消費を前提とした社会システムが見直され、品質・環境・人権への対応は避けて通れません。ボーケンに期待される役割も変化しており、社会課題や業界課題に対して必要なサービスを、必要な相手に、必要なタイミングで届けるために「お客さまと共同で品質保証するパートナー」としての取り組みを推進します。原動力となるのは「現場の実行力」です。「一つ一つの仕事をやり切る」「当たり前のことを、当たり前にやり続ける」ということを徹底し、「信頼のBOKENブランド」の構築に取り組みます。
――2025年度を振り返ると。
グループ全体では増収増益で推移しました。国内は東高西低の傾向が一段と強まっています。繊維業界の東京シフトが一段と加速した印象です。海外は中国拠点が好調でした。米国向けの生産が減少した分をカバーするために中国企業が積極的にオーダーを確保したことが背景にあります。また、昨年9月からボーケンガーメンテック(旧ユニチカガーメンテック)がグループに加わり、人体生理測定に基づく製品試験などが拡充するなど存在感が高まりました。
――26年度の戦略は。
「信頼のBOKENブランドの構築」に向けて、組織運営の透明性・公平性を高めるなど健全な組織風土の醸成に取り組みます。その上で高度な専門技術力に裏付けられた創意工夫で事業領域を広げ、品質・環境・人権に関するサービスを拡充します。デジタル技術で企業を変革するDX・自動化にも力を入れます。
――各事業の具体的な取り組みは。
品質支援事業は環境・人権・教育支援に力を入れます。ライフサイクルアセスメント(LCA)や温室効果ガス(GHG)排出量の算定支援など初級のコンサルティング業務を開始したほか、CSR監査の支援サービスも再開しました。モノ作りの品質向上につながるセミナーにも力を入れます。
認証分析事業は既存事業の安定成長と収益基盤の強化に努めます。化粧品・食品衛生・アウトガス試験の信頼性が強みです。カンナビノイド検査機関連絡協議会にも加盟しました。カンナビノイドの一種であるカンアビジオール(CBD)は食品や化粧品で広く使用される一方、もう一種であるテトラヒドロカンナビノール(THC)は強い精神活性化作用があり、大麻取締法で禁止されています。このため協議会は厳格な検査を実施し、安全でフェアなCBD製品の市場を形成することを目指しています。当機構もCBD配合量測定を実施しています。また、サステイナビリティー関連も戦略的に拡大します。FEM第三者検証、ZDHC関連分析、生分解性評価などが重点成長領域です。日本バイオプラスチック協会認定の生分解性試験機関にもなり、コンポスト中だけでなく海洋中生分解性試験も実施できます。法律に規定されたプラスチック使用製品設計認定の指定調査機関にもなりました。GHG検証機関の認定も取得します。
機能性事業は、機能性表示や訴求に対するアドバイス業務の強化、細菌由来の臭いやカビ、虫などを対象とした衛生関連サービスの開発に力を入れます。ボーケンガーメンテックの機能を活用し、人体生理測定や新規の評価方法の開発も進めます。生活産業資材事業は業界団体との取り組みを通じてオフィス家具や福祉用品、ベビー・キッズ用品など対象市場の拡大に取り組みます。
繊維事業は主要取引先との関係強化とSEO対策(検索エンジン最適化)などマーケティング活動による受注拡大に努めます。価格改定も重要です。海外事業は顧客ニーズに素早く対応し、競争力を高めます。提携検査機関との協業でベトナムやカンボジア、ミャンマーでの対応も強化します。
〈私のちょっとしたストレス解消法/ご当地B級グルメ巡り〉
「おいしい物を食べるのがストレス解消法」という吉田さん。特に出張や旅行の際に行き先で“ご当地B級グルメ”を堪能してきた。近々、三重県に行く予定があり「カツドライカレーや鳥焼肉というのがあるらしい」と研究に余念がない。ちなみに一番のお気に入りを聞くと「学生時代を過ごした長野県上田市のあんかけ焼きそば」と即答。こちらは上田のソウルフードであると同時に、吉田さんにとって“青春の味”というところか。
【略歴】
よしだ・やすのり 1991年日本紡績検査協会(現・ボーケン品質評価機構)入所。2009年近畿事業所長、11年東部事業所長、19年6月から理事長兼最高経営責任者





