台湾・和意実業/紙糸「アバセル」を靴用途に/海外展で市場開拓加速

2026年04月24日 (金曜日)

 【台北=岩下祐一】マニラ麻(アバカ)を原料とする紙糸「abacell」(アバセル)を展開する和意実業(ハーイー)は、2026年度の重点方針としてシューズ分野への本格参入を掲げる。欧州・日本の展示会への出展を軸に、独自の製紙技術を強みとするアバセルの市場開拓を一段と加速させる。

 現在、アバセルの新用途として編み物製シューズアッパーの開発を進めており、試作品が完成間近だ。アバカ特有の軽量性、高強度、速乾性を生かし、フットウエア市場での新たな需要掘り起こしを狙う。

 アバセルの原料であるマニラ麻は、無農薬栽培が可能なサステイナビリティー素材だ。同社が台湾で製紙後、1㍉幅にスリットして撚りをかける独自工程で生産する。生分解性と耐水性を備え、綿より軽量で通気性・清涼感に優れるほか、消臭や速乾、放熱、抗菌、UVカットなどの機能も持つ。

 最大の強みは、グループ企業の中日特種紙廠が持つ60年以上の製紙技術にある。1㍉幅のスリットと精密な撚糸工程を組み合わせることで、均一で高強度かつ繊細な糸を実現した。生分解性にも優れ、海水や堆肥環境下で約50日間で96%以上が分解される。

 近年は世界市場でのプロモーションを強化。25年5月の台湾素材展「パンテキスタイル東京」で披露した6番手と43番手は、欧州の有力顧客から高評価を得た。6番手はデニム向け、43番手はアクセサリー用途で肌触りの良さが注目されている。

 今年は日本市場の深掘りに加え、ドイツ・フランクフルトで開かれている産業用繊維見本市「テクテキスタイル」に出展。欧州や日本の展示会への継続出展を通じ、高機能なサステ素材としての地位確立を目指す。