春季総合特集Ⅴ(4)/明石スクールユニフォームカンパニー/社長 河合 秀文 氏/顧客満足度高める/売上より利益重視へ
2026年04月24日 (金曜日)
明石スクールユニフォームカンパニーなどを含む明石グループの2025年12月期連結決算は、売上高335億4500万円を達成し、決算期を変えた20年度以降は、5期連続の増収だった。価格改定のほか、生産面での効率化や在庫削減が寄与して、4期ぶりの増益も達成した。今年を「再スタート」の年と位置付け、次世代につなぐ体制作りに注力する。
――26年度の経済で最も期待している分野は。そこにどのような形で関わっていきますか。
人工知能(AI)の活用を進めています。AIによる採寸は導入から数年が経ち、現場の意見や学校ごとに異なる規定などの独自の知見を反映させて効果を発揮できるようになりました。追加生産の受注も早くなり、労働時間の短縮につながっています。
今後は、AIを生かした顧客対応で、顧客の満足度を高める方針です。事業継承問題などの要因で毎年、直営の販売店が増えています。現在では約60店舗まで増えて、対応する学校も600校を超えました。問い合わせなどの顧客対応に看過できない人件費が必要になっています。
そこで、顧客からの問い合わせに自動で回答するチャットボット形式のAIを導入しました。当社の学生服に関わる知見を生かしたAIで、学校ごとに最適化された受け答えが可能です。チャットボット形式の採用で、顧客との直接的なやりとりの中で起こるカスタマーハラスメントを回避し、従業員を守ることにもつなげたい。
――25年12月期の総括を。
新型コロナウイルス禍以降のインフレ加速に対するさまざまな策が奏功し、4年ぶりに増益を達成しました。必要な利益率に回復できたことで、今年を「再スタートの年」と捉えています。
利益率の回復には、25年度の価格改定のほか、生産面での効率化や在庫削減が寄与しました。計画的な材料の手配や生産計画の立案など、学校ごとに異なるさまざまな条件を加味した効率化が奏功しました。直営店を介して、学校と直接対話できるようになったことも寄与しました。
コロナ禍以降に起きた供給不安に対応するため、余剰に在庫を積みました。昨年から余剰在庫の適正化を進め26年度はスクールである程度の成果を上げました。次はスポーツなどの分野でも適正化を進めます。
――今後の方針について。
売り上げより利益を重視した戦略を採ります。全国の生徒数は現在、一時的な横ばいまたは微増減の状態にありますが、3年後からは再び大きく減少する見込みです。販売点数は、頭打ちの状態にあり、今後の伸びは期待できないでしょう。
利益を確保できる体制を構築することと並行で、入学商戦以外でいかに売り上げを作るかも重要になってきます。直営店を活用しながら、プラスアルファのアイテムを売るための仕掛けを投じていきます。現在の売り上げでも利益を確保できる体制の構築に努め、次の時代へつなげていきたい。
――各分野の主な動向は。
スクールでは、エンターテインメント業界の衣装製作を手掛けるオサレカンパニー(東京都港区)と協業で展開する学校制服ブランド「O.C.S.D.」が私立に好評です。今春は、新たに4校での導入が決まり、採用校数は累計40校になりました。
スポーツでは、昨年から投入した自社ブランドの「FEEL/D.」(フィール/ディー)が、主力ブランドへと成長しつつあります。今春からは「MoveSport」(ムーブスポーツ)も投入し攻勢を強めています。
企業ユニフォームは、一昨年に大型案件を獲得して伸びましたが、今期は反動減でした。
――サステイナビリティーへの取り組みは。
今春から始めた制服のリユース、リサイクル事業の「Re―Ring AKASHI」(リリングアカシ)に大きな反響があり、採用校は100校を超えました。学生服メーカー認定のリユースシステムという安心感から採用が広がっています。継続的な取り組みにするため、利益の出る事業として確立させたいと思います。
〈私のちょっとしたストレス解消法/自宅の庭の手入れ〉
「ストレスは笑いに変えたい」と話す河合さんのストレス解消法は、休日に自宅の庭の手入れをすることなのだとか。自宅は山の中腹にあって、庭から瀬戸内海の風光明媚(めいび)な景色を臨むことができる。庭の手入れをした後に、オーシャンビューを眺めると気分も晴れて達成感があるそうだ。庭の手入れ以外には、運動する機会が少ないという河合さん。間もなく完成する新社屋7階の社長室までは、階段で上り下りすると意気込む。
【略歴】
かわい・ひでふみ 1982年明石被服興業入社。89年取締役。2002年専務。05年から社長。明石スクールユニフォームカンパニー社長も兼務





