コベストロなど/導電性スマート生地開発/医療分野など応用拡大へ
2026年04月28日 (火曜日)
ドイツの化学大手、コベストロは、フィルク・フライベルク研究所および光送信機環境保護技術協会(OUTeV)と共同で、柔軟性と導電性を兼ね備えたポリマー製スマートテキスタイルシステムを開発した。センサー制御による新生児用ボディースーツなど、医療分野をはじめ幅広い用途への展開が期待される。
開発したシステムは、繊維表面に均一な導電性の電位場を形成する技術が特徴。従来の配線を用いず、発光ダイオード(LED)やセンサーを繊維上の任意の位置に配置できる。これにより、高い柔軟性と設計自由度を両立した。
材料には、コベストロの水性ポリウレタン分散液「インプラニル」を採用。カーボンナノチューブを添加した導電性ポリウレタンフィルムを形成し、レーザー加工により電気特性を精密に制御する。センサーと連動したLEDの制御や、近距離無線通信Bluetooth(ブルートゥース)による双方向通信にも対応する。
応用例として、新生児黄疸(おうだん)の光線療法用ボディースーツを試作した。青色光を発するLEDとセンサーを衣服に組み込み、治療状況をリアルタイムで監視しながら照射強度を自動調整する。従来の保育器による治療に比べ、柔軟な運用が可能になるとみられる。
このほか、発熱繊維や圧力センサー、ウエアラブル機器向け導電パターンなどへの応用も想定。デジタルプリントなど量産対応プロセスにも適用でき、スポーツウエア、自動車内装、個人保護具(PPE)など多分野での活用を見込む。
同技術は、21日から24日までドイツ・フランクフルトで開かれた産業資材見本市「テクテキスタイル」で展示した。
コベストロは高機能ポリマー材料の大手メーカーで、2025年12月期売上高は129億ユーロ。循環型経済の実現と温室効果ガス削減を掲げ、35年までに自社排出の実質ゼロを目指している。





