繊維ニュース

合繊メーカー 成長の26年度になるか

2026年05月01日 (金曜日)

 米国とイスラエルによるイランへの攻撃開始から2カ月が過ぎた。中東情勢はいまだ緊張状態にあり、原油やナフサ価格の動向も不透明感が強い。合繊メーカーへの影響も小さくないとみられるが、各社はどのような施策を打ち、成長を図っていくのか。2026年度の方向性を整理した。

 東レは、26年度(27年3月期)が初年度の中期経営課題をスタートした。次の成長に向けた最初の3年に位置付け、最終28年度に売上収益3兆円、事業利益2300億円を目指す。中東情勢悪化の中での始動だったが、大矢光雄社長は「環境の変化は常に起こる。自助でできる部分にしっかりと取り組む」と強調した。

 中経では投資の刈り取り加速や構造改革完遂の両輪で取り組む。会社全体を支える繊維事業も成長戦略と構造改革を同時並行で進める。成長戦略は衣料一貫型ビジネスで加速し、構造改革はイタリアのアルカンターラやポリエステル綿混織物で実行する。

 帝人は、25年度に2年間の中期経営計画を終了した。前中計は基礎収益力回復などに取り組み、内川哲茂社長は「市場に対して約束したことを果たせる会社になった」と強調し、26年度からの新中計では成長を見据えた投資も実施する。新中計は今月公表する予定だ。

 旭化成は、26年度が中計の2年目に当たる。工藤幸四郎社長は、最終年度の営業利益目標2700億円の「達成確度が高まっている」と自信を示し、成長投資と構造改革を同時に進行する。海外住宅やエレクトロニクスの伸長に期待するほか、マテリアル領域の構造転換を継続する。

 帝人と旭化成は、傘下の繊維商社を10月に統合する。クロスセルなどでシナジーを発揮し、30年ごろに売上収益5千億円を目指す。帝人フロンティアの鎌田進社長は「収益力を重視する。次の3年間で基礎収益力を150億円に高める」とし、旭化成アドバンスの春見恵司社長も「予算にしっかりと取り組む」とした。

 東洋紡は、26年度から5カ年の新中計をスタートした。事業ポートフォリオ改革を進めるほか、「先端材料」「ヘルスケア」「環境・エネルギー」の価値提供領域の有力テーマに資源をシフトする。また、経営戦略と連動した人材戦略など、基盤づくり・強化にも力を入れる。

 クラレは、26年度(26年12月期)が5カ年中計の最終年度となる。1~3月期は、販売面では中東情勢悪化による大きな影響は出ていないが、4月以降の動向に懸念を示す。繊維関連では、クラレトレーディングが顧客との強い取り組みを軸に縫製ビジネスの維持・拡大を目指す。