だからこの仕事が好き’26④/ユニマックスサイゴン 社長代行 江森祐未さん

2026年05月01日 (金曜日)

ベトナムで重責に向き合う

 「社員の皆さんの生活を背負う責任の重みを日々感じています。今は楽しいというより、“濃い”毎日を過ごしています」。ベトナムでユニフォームの縫製を手掛けるユニマックスサイゴン(ホーチミン市)の社長代行を務める江森祐未さん(36)は、現状をこう表現する。

 同社は、伊藤忠商事の100%子会社でユニフォームの企画・製造・販売を行うユニコ(東京都中央区)のグループ企業。江森さんは2025年4月、ユニコからの派遣駐在という形で現職に就いた。

 社長代行の業務は多岐にわたる。生産計画の策定、コスト管理、資金繰り、貿易関連書類へのサイン、人材採用などに加え、営業のサポートにも当たる。「管理職の経験がない私が、約450人の現地スタッフの上に立つのは分不相応だと自覚しています。それでも、普段は日本にいる社長や現地のベテランスタッフに支えられ、できることを積み上げているという充実感があります」

 江森さんのベトナム勤務は現在が2回目となる。ユニマックスサイゴンには17年に現地で採用された。仕事の関係でベトナムに常駐していた夫との結婚を機に、自身も勤めを辞めてベトナムに渡っていた。大学でベトナム語を習得していた江森さんにとって、ベトナムで働くことはかなえたい願望だった。

 「服に関わる仕事もしたかったので、希望がかなう喜びが倍増しました。業務は社内でただ1人の営業職で、日系企業からの需要開拓に取り組みました。経済団体の会合などに顔を出し、関係構築に努めました」

 18年に夫の帰国に伴い、江森さんはユニコに籍を移して日本国内でのユニフォーム営業を担った。現地の責任者に抜擢され、再びベトナムに渡るのは、それから7年後のことだ。

 「まだ子供は幼いのですが、それを理由にチャンスを逃したくありませんでした。家族会議を重ねた末、子供と2人でベトナムに渡る決断を下しました」

 挑戦開始から1年が過ぎた今、「語学力を生かして社員と意思の疎通が図れている手応えを感じています。半面、数字が苦手なため、工場経営で最も重要な計数管理に苦戦しました」と成果と課題を挙げる。

 「まずは目の前の課題を克服し、自信を持って社長代行と名乗れるようにならなければなりません。将来は、海外で子育てをしながら働く女性像として、後進から見られる存在になるのが目標です。生涯にわたって挑戦する姿勢を貫きたい」と強固な意志を表す。

(毎週金曜日に掲載)