「TTS27春夏」レビュー~展示会の魅力発信②

2026年05月01日 (金曜日)

新鮮味付与で顧客開拓

 TTSの前身である生地商談会「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」、繊維総合見本市「JFW―ジャパン・クリエーション」から継続的に出展している企業は多い。各社は新商材の提案はもちろん、展示手法などをブラッシュアップすることで新鮮味を付与し、新たな顧客の獲得につなげている。

 東レは、複合紡糸技術「ナノデザイン」とスエード調人工皮革「ウルトラスエード」を提案した。ナノデザインでは、「uts―fit」「デューエイトPS」「プライムフレックス」の新タイプなどを展示し、ウルトラスエードはイタリアの服地見本市「ミラノ・ウニカ」で人気を博した商品などを見せた。

 デザイナーとのコラボレーションでは、ファッションブランド「ハトラ」と連携した。同ブランドを運営する波取(東京都墨田区)の長見佳祐代表取締役は「ナノデザインの生地を使うケースは少ない。生地の質感の良さとプリント柄がうまく融合できた」と話した。

 STXは、「オールドコット」と「ドライコア」「コンフィル」の三つに絞り込んで提案した。オールドコットは、落ちわた(未利用綿)を活用した糸で、ナチュラルなムラ感が独特の風合いや豊かな表情を作る。落ちわたを含め100%米綿使いであることも特徴で、販売は着実に伸びている。

 ドライコアは、芯がポリエステル、周りが綿の2層構造糸だ。今回は追撚タイプを作り、シャリ感や杢(もく)感を表現した。抗ピリング性にも優れている。コンフィルは、“4年物”のインドオーガニックコットンを使用し、オーガニック綿の国際認証「GOTS」認証も取得している。

 宇仁繊維は、幅広い生地を並べた。ナイロンの経糸を軸に、緯糸に天然繊維を使った生地は、ハリ感やナチュラル感が人気を博した。好評のライトデニム調生地は、反応染料によるデニム見えと堅ろう度も両立した。刺しゅうライクな顔料プリントなども展示した。

 ユニフォーム分野などでも評価を得ている機能性生地の展示も行った。ギガダル糸(極太クラスの糸)を使って遮熱性を付与した生地などを提案したが、ファッション性を加味するなど、宇仁繊維らしさを打ち出すことで差別化を図った。

 田村駒は、吸水速乾性やUVカット性などに優れた機能性ポリエステル素材「ポリコット」を使った製品(Tシャツ)を見せた。ビジネスのON、休日のOFF、アクティブのDOを用意した。ポリコットの認知を上げるのが狙いで、クラウドファンディングでの展開に先駆けて披露した。