合繊メーカー 26年3月期 衣料繊維はおおむね健闘

2026年05月18日 (月曜日)

 合繊メーカーの2026年3月期連結決算は、増益を果たした企業がある一方で、減益を余儀なくされた企業も目立った。米トランプ関税や中東情勢の悪化など、不安定・不確実な事業環境下で明暗が分かれた。繊維分野は、自動車関連用途が勢いを欠いたが、衣料用途はおおむね健闘を見せた。

 繊維分野では、東レが存在感を示した。売上収益で前期比4・0%増を達成し、2期連続で1兆円を超えた。事業利益も6・0%増を確保した。衣料用途は欧州市場の低迷や海外品との競争激化があったものの、総じて堅調に推移した。産業用途は自動車関連を中心に停滞感があった。

 ポリエステルやナイロンなどの主要素材は多くが増益を確保し、赤字が残った素材は一部にとどまった。海外の繊維事業に目を移すと、中国子会社は衣料用途が堅調に推移し、韓国子会社は不採算縮小が寄与して黒字に浮上した。東南アジア子会社は、タイなどで苦戦を強いられた。

 帝人の繊維・製品は、前期比では若干の減収減益だったが、衣料繊維と産業資材ともに販売は底堅さを示した。衣料繊維は北米向け生地と国内向け衣料品が好調だったほか、中国での素材・製品販売も寄与した。産業資材分野はフィルター向けポリエステル短繊維などが良好な動きを維持した。

 旭化成は、全社営業利益が2年連続で過去最高を更新した。繊維やカーインテリアを含むマテリアル領域は、エッセンシャルケミカル事業の大規模定期修理などから減収減益だった。カーインテリアは欧州が堅調だったが、中国や北米での販売減もあって減益。繊維も販売量が減少した。

 東洋紡は、機能繊維・商事と環境・機能材がともに増益だった。特に利益を大きく伸ばした機能繊維・商事は、中東向けの特化生地が旺盛な需要と円安などから販売が増加した。エアバック用基布はコストダウンで収益性が改善した。環境・機能材は国内向け高機能ファイバーが堅調に推移した。

 ユニチカの繊維は、衣料繊維の事業譲渡を昨年12月31日までにおおむね完了したこともあって減収、赤字幅が拡大した。機能資材も不織布事業と、モノフィラメント事業を除く産業繊維事業の譲渡が完了した。

 クラレの繊維(25年12月期)は、減収ながら増益を果たした。液晶ポリマー繊維「ベクトラン」の拡販などにより販売構成の改善が進んだ。トレーディングは、スポーツ・アウトドア衣料用途が順調だったことなどから増収増益を確保した。